インプラント5本の費用相場は?費用内訳や費用を抑える方法まで解説

インプラント5本の費用相場は?費用内訳や費用を抑える方法まで解説

「インプラント5本の費用相場は?」

「インプラント5本の費用の内訳を知りたい」

「インプラント治療にかかる費用に保険や分割払いなどの支援があるか確認したい」

上記の疑問をお持ちの方は、5本のインプラント治療を考えているけど、費用がどれくらいかかるのかが心配で適正価格を知りたいお悩みがあるのではないでしょうか。

インプラント5本の費用相場は「150万円以上」と高額ですが、その内訳を正しく理解し、費用を抑える方法を活用することが重要です。

本記事では、「インプラント5本の費用相場や内訳、費用を抑える方法」を紹介します。

費用が安すぎるインプラントの危険性まで紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。

インプラント5本の費用相場は「150万円~250万円」

インプラント5本の費用相場は、およそ「150万円〜250万円」が目安です。インプラント治療の費用については、以下のとおりです。

  • インプラント1本あたりの費用相場
  • 本数別のインプラント費用シミュレーション

それぞれ解説します。

インプラント1本あたりの費用相場

インプラント治療の費用は、1本あたりおよそ「40万〜65万円」が目安とされています。

この費用には、検査や診断、手術、そして人工歯の装着まで、一連の工程にかかる費用が含まれています。

地域や医院によっても差があり、都心部では「40万〜50万円」、郊外では「30万〜40万円」ほどが一般的です。

価格はクリニックの立地条件や設備、担当医師の技術力などによって変動します。

治療にかかる総額を考える際は、まずこの「1本あたりの費用」を把握することが基本となります。

また、インプラント1本の治療については、以下の記事で解説しています。

詳細は「インプラントは1本だけ治療できる?治療の費用相場やメリットまで解説 」をご覧ください。

本数別のインプラント費用シミュレーション

インプラント治療の費用は、治療する本数が増えるほど高額になります。

基本的には、1本あたりの費用に必要本数を掛け合わせて計算するためです。

たとえば、1本40万円とした場合、3本で約120万円、5本なら約200万円が必要になります。

ただし、治療計画によっては複数本を連結した被せ物を使用し、1本あたりの単価が下がるケースもあります。

シミュレーションをおこなうことで、希望する本数の治療にどれくらいの予算が必要かを、より具体的にイメージすることが可能です。

インプラント治療の費用内訳

インプラント治療の費用内訳は、以下のとおりです。

  • 検査・診断料
  • インプラント体(フィクスチャー)埋入費用
  • アバットメント(連結部分)の費用
  • 上部構造(被せ物)の費用
  • 手術・術後のケア費用

ひとつずつ解説します。

検査・診断料

インプラント治療を安全におこなうためには、事前の精密検査が欠かせません。

CT撮影やレントゲン撮影によって、顎の骨の厚みや質、神経・血管の位置を正確に把握できるためです。

検査結果をもとに治療計画が立てられるため、診断の精度は非常に重要です。

検査・診断料はクリニックによって差がありますが、費用相場は「15,000〜50,000円」程度とされています。

確実で安全な治療のために必要な費用と考えるべきでしょう。

インプラント体(フィクスチャー)埋入費用

インプラント体の埋入費用とは、顎の骨に埋め込むネジ状の人工歯根(インプラント体)の代金と、それを埋め込む外科手術にかかる技術料を含みます。

現在主流のインプラント体はチタン製ですが、メーカーによって価格や性能が異なりやすいです。

たとえば、ストローマン社やノーベルバイオケア社といった世界的に評価の高いメーカーの製品は費用が高めですが、長期的な信頼性に優れているとされています。

また、手術費用には麻酔代や衛生管理費が含まれることが多く、この埋入費用はインプラント治療全体の中心的な費用となります。

アバットメント(連結部分)の費用

インプラント治療では、埋め込んだインプラント体と人工歯(上部構造)をつなぐ「アバットメント」という部品にも費用がかかります。

アバットメントは、噛む力を適切に伝え、人工歯を安定させる重要な役割を持っています。

既製品を使用する場合と、患者さんごとに作るオーダーメイド品を使う場合とで金額が異なるためよく確認が必要です。

目立たない部分ですが、インプラントの機能性と自然な見た目を支えるうえで欠かせない要素です。

上部構造(被せ物)の費用

上部構造(被せ物)の費用は、以下のとおりです。

  • ハイブリッドレジン
  • メタルボンド
  • ジルコニア

それぞれ解説します。

ハイブリッドレジン

ハイブリッドレジンは、セラミックとプラスチックを組み合わせた素材で、費用が比較的安いのが特徴です。

保険診療の白い歯にも使われますが、インプラントでは自由診療となります。

見た目は自然ですが、長期間の使用で変色やすり減りが起こる場合があります。

費用を抑えたい方には有力な選択肢ですが、耐久性の面では注意が必要な素材です。

メタルボンド

メタルボンドは、金属のフレームにセラミックを焼き付けた被せ物で、非常に高い耐久性があります。

強度があるため奥歯のインプラントに使われることが多く、食べ物をしっかり噛める点が大きな魅力です。

一方で、歯茎が下がると内側の金属が見えてしまったり、金属アレルギーのリスクがあったりするのがデメリットです。

強度を最優先に考える方には適した素材ですが、見た目の自然さやアレルギー体質の方は注意が必要です。

ジルコニア

ジルコニアは「人工ダイヤモンド」とも呼ばれるほど硬いセラミック素材で、天然歯に近い白さと透明感を再現できます。

耐久性も非常に高く、金属を使わないため金属アレルギーの心配もありません。

ほかの素材に比べると費用は高めですが、見た目の美しさと丈夫さを同時にかなえられるのが大きな魅力です。

機能性と審美性を両立させたい方に、最もおすすめされる素材といえます。

手術・術後のケア費用

インプラント治療では、手術そのものだけでなく、術後の消毒や抜糸、定期的なメンテナンスにも費用がかかります。

もしケアを怠ると、感染症などのトラブルが起こるリスクが高まります。

インプラントは虫歯にはなりませんが、歯周病に似た「インプラント周囲炎」を防ぐためには、歯科医院での定期的なクリーニングが欠かせません。

治療が終わってからも、良好な状態を保つには継続的なケアとコストが必要です。

追加で発生する可能性のあるオプション費用(骨造成など)

患者さんの口腔内の状態によっては、基本的な治療費以外に追加の処置費用が必要になる場合があります。追加で発生する可能性のあるオプション費用(骨造成など)は、以下のとおりです。

  • 顎の骨が少ない場合に必要な「骨造成」
  • 上顎の骨を増やす「サイナスリフト」
  • 骨の厚みや高さを補う「GBR法」
  • 手術の不安を和らげる「静脈内鎮静法」
  • その他(抜歯・仮歯など)

ひとつずつ解説します。

顎の骨が少ない場合に必要な「骨造成」

インプラントを安定させるには、十分な量の骨が必要です。

そのため、顎の骨が薄かったり高さが不足していたりする場合には、骨を補う「骨造成」という治療を追加でおこないます。

骨がしっかりしていないと、手術自体が難しかったり、埋め込んだインプラントがすぐに動いてしまったりする場合があるためです。

骨造成には、自分の骨を使う方法や人工の骨補填材を用いる方法があります。

インプラントの成功率を高めるために、骨の土台を整えることが重要です。

上顎の骨を増やす「サイナスリフト」

サイナスリフトは、うえの奥歯部分の骨が薄い場合に行われる骨造成手術です。

上顎の奥歯のうえには「上顎洞(サイナス)」という空洞があり、骨が薄いとインプラントを支えることができません。

そこで、サイナスの底に骨補填材を入れて骨の厚みを確保し、インプラントがしっかり固定できる土台を作ります。

とくに骨が不足しやすい上顎奥歯の治療を可能にする、重要なオプションです。

骨の厚みや高さを補う「GBR法」

GBR法(骨再生誘導法)は、インプラントを埋め込む部位の骨が不足しているときにおこなう代表的な骨造成法です。

骨が足りない部分に骨補填材を入れ、そのうえを特殊な膜で覆うことで骨が再生するスペースを作り出します。

結果的に歯周病で骨が痩せたケースなど、さまざまな症例に対応できます。

サイナスリフトと並んで、インプラント治療の適応範囲を広げるために重要な方法です。

手術の不安を和らげる「静脈内鎮静法」

外科手術に恐怖心や不安が強い方のために、リラックスした状態で治療を受けられる「静脈内鎮静法」という麻酔方法も選択できます。

鎮静剤を点滴で投与し、うたた寝をしているような非常に落ち着いた状態になる麻酔法です。

全身麻酔とは異なり意識は保たれるため、歯科医師の呼びかけに応じることもできます。

手術が怖いと感じる方でも、心身の負担を大幅に軽減してインプラント治療に臨めます。

その他(抜歯・仮歯など)

外科手術に強い不安や恐怖を感じる方には、リラックスした状態で治療を受けられる「静脈内鎮静法」という麻酔の方法があります。

鎮静剤を点滴で投与することで、まるでうたた寝をしているように落ち着いた状態になれます。

全身麻酔とは異なり意識は残るため、歯科医師の「口を開けてください」といった声かけにも反応できます。

手術に対する恐怖心を和らげ、心身への負担を少なくして治療に臨めるのが大きなメリットです。

インプラント5本の費用負担を抑える方法

インプラント5本の費用負担を抑える方法は、以下の4つです。

  • 複数の歯科クリニックで見積もりを比較する
  • オールオン4やブリッジ併用など治療法を検討する
  • 医療費控除を活用して税金の還付を受ける
  • デンタルローンやクレジットカードで分割払いする

それぞれ解説します。

複数の歯科クリニックで見積もりを比較する

インプラント治療の費用を抑える基本的な方法は、複数の歯科クリニックでカウンセリングを受け、見積もりを比べることです。

インプラントは自由診療のため、同じ治療内容でもクリニックによって料金が大きく変わります。

たとえば、ある医院では200万円、別の医院では250万円と差が出ることも珍しくありません。

複数の見積もりを比較すると、費用だけでなく治療方針や対応も含めて検討でき、自分の希望や予算に合ったクリニックを選びやすくなります。

オールオン4やブリッジ併用など治療法を検討する

失った歯の本数と、実際に埋め込むインプラントの本数は必ずしも同じではありません。

より少ない本数で、多くの歯を補える治療法もあります。

たとえば「オールオン4」は、わずか4本のインプラントで全ての歯を支える方法です。

また、5本連続で歯を失った場合でも、2本のインプラントを土台にブリッジをかけて5本分を補えます。

このように工夫することでインプラントの本数を減らせるため、治療の総費用を大幅に抑えることが可能になります。

医療費控除を活用して税金の還付を受ける

インプラント治療の費用は医療費控除の対象となり、確定申告をすれば支払った税金の一部が戻ってくる場合があります。

医療費控除とは、年間の医療費が一定額を超えたときに、所得税や住民税が軽減される制度です。

インプラントのように高額な治療では、数万円〜十数万円が還付されるケースもあります。

この制度を活用することで、実際の費用負担を軽くできます。

デンタルローンやクレジットカードで分割払いする

まとまった費用を一度に用意するのが難しい場合は、デンタルローンやクレジットカードの分割払いを利用する方法があります。

デンタルローンは歯科治療専用のローンで、比較的低い金利で長期間の分割払いが可能です。

多くの歯科クリニックで対応しているため、無理のない支払い計画を立てやすく、経済的な負担を軽減できます。

こうした制度を活用すれば、安心して治療に集中できるでしょう。

【要注意】費用が安すぎるインプラントの危険性

費用が安すぎるインプラントの危険性は、以下の4つです。

  • 治療経験や実績が不足している可能性がある
  • 質の低いインプラントを使用している恐れがある
  • 精密な検査や治療計画がおろそかになる場合がある
  • アフターケアや保証が充実していない

ひとつずつ解説します。

治療経験や実績が不足している可能性がある

低価格を打ち出しているクリニックのなかには、インプラント治療の経験が十分でない歯科医師が担当している場合があります。

症例を増やすために、あえて費用を安く設定して患者を集めているケースもあるのです。

インプラントは高度な技術を必要とする外科手術であり、医師の経験や技量によって成功率が大きく変わります。

費用だけで選んでしまうと、未熟な医師による治療で思わぬトラブルが起こるリスクを抱えるケースもあります。

質の低いインプラントを使用している恐れがある

費用が極端に安いクリニックでは、信頼性の低い安価なインプラントを使用している場合があります。

世界には数百種類のインプラントがありますが、長期的な安全性や有効性が科学的に確認されているメーカーは限られています。

実績の乏しい製品は、破損や脱落といったトラブルが起こりやすいだけでなく、部品の入手が難しくなり修理ができなくなる恐れもあります。

目先の安さに惹かれて選ぶことは、将来的な大きなリスクにつながる可能性があるのです。

精密な検査や治療計画がおろそかになる場合がある

極端に安い費用を提示しているクリニックのなかには、安全に欠かせないCT撮影などの精密検査を省き、費用を抑えているケースがあります。

CT撮影をおこなえば、顎の骨の状態や神経の位置を立体的に把握でき、手術のリスクを大幅に減らせます。

しかし、こうした検査やシミュレーションを怠ると、神経を損傷したり、インプラントを正しい位置に埋め込めなかったりする重大な事故につながりかねません。

必要な検査を省く行為は、患者の安全を軽視している場合があります。

アフターケアや保証が充実していない

格安インプラントのなかには、治療後のメンテナンスやトラブル発生時の保証が不十分なケースがあります。

インプラントを長持ちさせるには、定期的なプロのケアが欠かせませんが、その体制が整っていないことも少なくありません。

さらに保証がなければ、再手術や修理が必要になったときに高額な費用をすべて自己負担することになります。

初期費用は安く見えても、結果的に総額では高くつくリスクがあるため注意が必要です。

インプラント治療で保険適用は可能?

インプラント治療で保険適用については、以下のとおりです。

  • 原則として保険適用はできない
  • 例外的に保険適用が認められるケース

それぞれ解説します。

また、インプラントの医療保険については、以下の記事で解説しています。

詳細は「インプラント治療は医療保険の対象になる?費用を抑える方法を解説」をご覧ください。

原則として保険適用はできない

インプラント治療が原則として保険の対象外なのは、「生活に最低限必要な医療」の範囲を超えた、質の高い治療と位置づけられているためです。

日本の公的医療保険は、すべての人が平等に必要な医療を受けられることを目的としています。

そのため、入れ歯やブリッジといった代替治療がある状況で、高額なインプラントまで保険でまかなうのは制度の趣旨に合いません。

インプラントは、自費診療が基本であることを理解しておく必要があります。

例外的に保険適用が認められるケース

インプラントは基本的に自費診療ですが、例外的に保険が適用されるケースもあります。

それは、病気や事故によって広範囲にわたり顎の骨を失ってしまったような重度の症例です。

たとえば、生まれつき顎の骨が欠損している場合や、交通事故などで顎の骨を大きく失った場合が該当します。

ただし、このようなケースには厳しい条件が設けられており、一般的な加齢や歯周病による歯の喪失では保険は認められません。

インプラントとほかの治療法(入れ歯・ブリッジ)との費用比較

インプラントは初期費用だけを見れば最も高額ですが、生涯にかかる総費用で考えると必ずしも高いとは限りません。

入れ歯は数年ごとに作り直しが必要になったり、ブリッジは再治療が必要になったりするため、長期的にはメンテナンス費用が積み重なっていきます。

一方で、インプラントは適切にメンテナンスを続ければ長持ちするため、結果的にトータルの負担が抑えられる場合もあります。

入れ歯やブリッジは保険が適用され、数万円から治療を始められる点で初期の負担は軽く済みますが、長期的な視点での比較が重要です。

また、インプラントに代わる治療法については、以下の記事で解説しています。

詳細は「インプラントに代わる治療法とは?種類や治療法を選ぶポイントまで紹介」をご覧ください。

インプラント5本の治療にかかる期間

インプラント治療では、手術を受けてから最終的に人工歯を装着するまで、一般的に半年から1年ほどかかります。

埋め込んだインプラントが顎の骨としっかり結合するまで、数カ月の治癒期間が必要です。

さらに、骨造成などの追加手術が必要なケースでは、治療期間がより長引くこともあります。

インプラントはすぐに歯が入る治療ではなく、美しい歯を得るためには時間をかけて進めることが必要です。

まとめ

インプラント5本の費用は「150万円〜250万円程度」と高額ですが、その内訳を正しく理解し、費用を抑える方法を活用することが重要です。

また、単に安いという理由だけで判断せず、安全性や信頼性も考慮して慎重に歯科クリニックを選ぶ必要があります。

久喜総合歯科では「毎週月曜日、水曜日、土曜日」に、インプラントを検討している方を対象とした無料相談会を実施しております。

また、インプラントをはじめ、入れ歯や審美歯科など、患者さんの状態に適したご提案・治療をおこなっております。

もし費用負担をできるだけ軽減しながら、安心してインプラント治療を受けたい方はぜひお気軽にご相談ください。

久喜の歯医者|久喜総合歯科

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インプラントが安くなる将来はある?治療を先延ばしするデメリットを解説

「インプラントが安くなる将来はある?」

「インプラント治療費が将来安くなる可能性について知りたい」

「今すぐ治療するべきか数年待った方が得かを判断したい。」

上記の疑問をお持ちの方は、インプラント治療を考えているけど費用が高く今すぐに決断できないとお悩みがあるのではないでしょうか。

将来インプラントは安くなるかもしれないと期待して、治療をためらっている方もいるかもしれません。しかし、その可能性は低いと言わざるを得ません。

本記事では、「インプラントが安くなる将来についてと、治療を先延ばしするデメリット」を紹介します。

インプラント治療をすぐに受けるメリットまで紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。

インプラントが安くなる将来はある?

インプラントが安くなる将来はあるのかについては、以下のとおりです。

  • すぐに保険適用が拡大して安くなる可能性は低い
  • インプラントが原則「自由診療」となる日本の医療保険制度
  • インプラント保険適用の将来性

それぞれ解説します。

すぐに保険適用が拡大して安くなる可能性は低い

結論から言うと、インプラント治療がすぐに保険適用の対象となり、安く受けられるようになる可能性はほとんどありません。

背景には、国の厳しい医療財政や、公的医療保険制度の基本的な仕組みがあります。

保険制度は病気やケガの治療を対象としており、生活の質(QOL)の向上や見た目の改善といった要素が強いインプラント治療まで広くカバーすることは想定されていないのです。

このため、近い将来に保険適用が大幅に拡大することは考えにくいでしょう。

また、インプラントの医療保険については、以下の記事で解説しています。

詳細は「インプラント治療は医療保険の対象になる?費用を抑える方法を解説」をご覧ください。

インプラントが原則「自由診療」となる日本の医療保険制度

日本の医療保険制度では、インプラント治療は原則として保険が適用されない「自由診療」に分類されます。

これは、公的医療保険が生命の維持や最低限の機能回復といった「病気の治療」に限定されているためです。

インプラントは噛む力を取り戻すだけでなく、天然歯に近い美しい見た目を再現できるという審美的な要素も含んでいます。

そのため、保険の範囲を超える治療とされ、費用は全額自己負担となるのです。

インプラント保険適用の将来性

将来、インプラント治療の保険適用が一部拡大する可能性は否定できません。

治療コストの低下や、高齢化社会における生活の質(QOL)の重要性が高まれば、特定の条件付きで保険が認められることも考えられます。

ただし、一般的な症例にまで広げるには制度の抜本的な見直しが必要であり、実現には長い時間がかかるでしょう。

現在歯を失って困っている方が、将来の保険適用を待つのは現実的とは言えません。

インプラント治療が保険適用外で高額になる主な3つの理由

インプラント治療が保険適用外で高額になる主な理由は、以下の3つです。

  • 高度な技術・高価な材料や設備にコストがかかる
  • 機能回復だけでなく「審美目的」の側面が強い
  • 保険でできる「入れ歯・ブリッジ」という選択肢がある

ひとつずつ解説します。

高度な技術・高価な材料や設備にコストがかかる

インプラント治療が高額になる大きな理由は、専門性の高い技術と高価な材料・設備に費用がかかるためです。

たとえば、インプラント体に用いられるチタンは生体親和性が高く安全性に優れていますが、その分コストが高くなります。

さらに、安全な手術には顎の骨を三次元で正確に確認できる歯科用CTなど、先進的な検査機器が欠かせません。

専門的な医療環境を整えるための費用が、治療費に反映されているのです。

機能回復だけでなく「審美目的」の側面が強い

インプラントが保険適用外となる理由に、単なる機能回復だけでなく、「審美目的」の側面が強い点が挙げられます。

インプラント治療では、噛む機能を取り戻すと同時に、セラミックなどの材料で天然歯と見分けがつかないほど自然な見た目を再現しやすいです。

日本の公的医療保険は「病気の治療」を目的としているため、このような審美性の追求は保険の範囲を超えると判断されます。

そのため、インプラントは自由診療となり費用は高額となるのです。

保険でできる「入れ歯・ブリッジ」という選択肢がある

インプラントが高額となる背景には、すでに保険が適用される治療法として「入れ歯」や「ブリッジ」が存在することも挙げられます。

国は最低限の機能回復を保証する治療法を保険でカバーしており、快適性や審美性を重視したインプラントまで補償する必要性は低いと判断しているのです。

つまり、機能や見た目に妥協すれば安価な治療法があるため、より優れた治療であるインプラントは患者自身の自由な選択に委ねられているのが現状です。

インプラント治療を安くなるまで先延ばしにするデメリット

インプラント治療を安くなるまで先延ばしにするデメリットは、以下の4つです。

  • 顎の骨が痩せてしまい将来の治療がより困難・高額になる
  • 周りの歯が倒れ込み全体の歯並びや噛み合わせが崩れる
  • しっかり噛めないことで全身の健康や見た目に影響が出る
  • 結果的に治療費の総額が高くなる

それぞれ解説します。

顎の骨が痩せてしまい将来の治療がより困難・高額になる

歯を失ったまま放置すると、最も大きな問題は顎の骨が痩せてしまうことです。

歯がなくなると噛む刺激が骨に伝わらず、骨は少しずつ吸収されて薄くなっていきます。

その結果、インプラントを埋め込むのに必要な骨量が不足し、骨を増やすための追加手術(骨造成)が必要になるケースがあります。

これによって治療期間は長くなり、体への負担だけでなく費用の面でも大きな負担となりやすいです。

周りの歯が倒れ込み全体の歯並びや噛み合わせが崩れる

歯を失った部分を放置すると、隣の歯が倒れ込んだり、噛み合う相手の歯が伸びてきたりします。

歯は上下や隣同士で支え合うことでバランスを保っているため、1本でも欠けると全体の調和が崩れやすいです。

結果的に、歯並びが乱れて食べ物が詰まりやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

さらに、一度崩れた噛み合わせを戻すには矯正治療など大掛かりな処置が必要になる場合もあります。

しっかり噛めないことで全身の健康や見た目に影響が出る

歯を失ってしっかり噛めなくなると、その影響は口のなかだけにとどまりません。

食べ物を十分に噛み砕けないことで胃腸に負担がかかり、消化不良や栄養吸収の低下を招く場合があります。

さらに、片側だけで噛む習慣がつくと顔の筋肉のバランスが崩れ、輪郭の歪みや顎関節症を引き起こすケースもあります。

歯を失った状態を放置すると、全身の健康だけでなく見た目にも悪影響をおよぼすため注意が必要です。

結果的に治療費の総額が高くなる

治療を先延ばしにすると、最終的に支払う費用が大きくなるケースは珍しくありません。

たとえば、顎の骨が痩せれば骨造成手術の費用が追加でかかり、歯並びが崩れれば矯正治療の費用が必要になる場合もあります。

早めに治療していればインプラント本体の費用だけで済んだはずが、遅らせたことで余計な処置が増え、結果的に治療費が膨らむ可能性が高いです。

費用の面から見ても、先延ばしは避けるべきといえます。

インプラント治療をすぐに受けるメリット

インプラント治療をすぐに受けるメリットは、以下の5つです。

  • 将来必要になるかもしれない追加手術を避けられる
  • 周りの健康な歯を削らず今の歯並びを維持できる
  • 自分の歯と同じ感覚で食事を心から楽しめる
  • 自然な見た目を保ち人前で話す自信を失わない
  • 長期的に見て生涯の治療トータルコストを抑えられる

ひとつずつ解説します。

将来必要になるかもしれない追加手術を避けられる

歯を失ってから時間が経つほど、顎の骨は痩せていきます。

早めにインプラント治療をおこなえば骨が十分に残っている可能性が高く、骨を増やす追加手術を避けられるケースもあります。

結果的に、手術の回数を減らせるだけでなく、体への負担を軽くし、治療期間の短縮や費用の節約にもつながります。

つまり、早期に決断することで、よりシンプルで負担の少ない治療が実現できるのです。

周りの健康な歯を削らず今の歯並びを維持できる

インプラントの大きな利点は、ブリッジのように隣の健康な歯を削る必要がないことです。

歯は一度削るともとに戻らず、寿命が短くなるリスクがあります。

インプラントは失った部分に単独で人工の歯を埋め込むため、周囲の歯を傷つけずに済み、今の歯並びをそのまま保てます。

お口全体の健康を長期的に考えたときに、非常に価値のある治療方法です。

自分の歯と同じ感覚で食事を心から楽しめる

インプラントは顎の骨に直接固定されるため、自分の歯のようにしっかり噛めます。

入れ歯のようにズレたり外れたりする不安がなく、硬い食べ物でも安心して口にできるのが特徴です。

その結果、家族や友人と同じ料理を心から味わえ、食事の楽しみが大きく広がります。

インプラントの快適さは日常生活の質(QOL)を高め、ほかの治療法では得にくい大きなメリットとなります。

自然な見た目を保ち人前で話す自信を失わない

インプラントの人工歯は、周りの歯に合わせて色や形を精巧に作るため、とても自然な見た目になります。

入れ歯のように留め金が見える心配もなく、口元を気にせず笑ったり、人前で話したりできるのが特徴です。

歯の見た目にコンプレックスを抱えることなく、自信を持って人と接することができるのは、精神的な健康を守るうえでも大きな意味があります。

長期的に見て生涯の治療トータルコストを抑えられる

インプラントは初期費用こそ高額ですが、長期的に見ると生涯にかかる治療費を抑えられる可能性があります。

適切にメインテナンスをおこなえば長持ちし、一般的なインプラントの10年後の平均残存率は「90%以上」と報告されています。

それに対し、保険適用のブリッジや入れ歯は数年ごとに作り直しが必要になることが多く、再治療に費用と時間がかかります。

こうした点を踏まえると、インプラントは結果的に経済的な選択となりやすいです。

インプラント治療の費用相場と内訳

インプラント治療の費用は、1本あたりおよそ「30万〜50万円程度」が一般的な相場です。

この金額には、検査から手術、人工歯の装着までの一連の流れが含まれます。

主な内訳は、以下の費用に分けられます。

  • CT撮影などをおこなう「検査・診断料」
  • インプラント体を埋め込む「手術費用」
  • 被せ物にあたる「上部構造(人工歯)」

ただし、歯科医院によっては総額で提示される場合もあれば、項目ごとに別料金となる場合もあるため、事前に内訳を確認しておくのが大切です。

インプラント治療で保険が適用されるケース

インプラント治療で保険が適用されるケースは、以下のとおりです。

  • 患者側の条件
  • 医療機関側の条件

それぞれ解説します。

患者側の条件

インプラント治療で保険を使えるのは、患者さんが特定の条件を満たす場合に限られます。

代表的な例としては、以下のとおりです。

  • 先天性疾患や外傷、腫瘍等により顎の骨が連続して1/3以上失われている場合(上顎・下顎ともに1/3以上が対象)
  • 事故や第三者行為による大きな顎骨欠損や、顎骨骨髄炎・腫瘍などの治療で広範囲の骨欠損が発生したケース
  • 先天性部分無歯症(生まれつき6本以上の歯が欠如している)**で、連続した欠損でなくても対象
  • 顎の骨欠損が上顎洞や鼻腔まで交通している場合や、下顎区域切除・骨移植などによる広範囲の再建症例も含む
  • 加齢や虫歯・歯周病による歯の喪失は保険適用外
  • ブリッジや義歯(入れ歯)では咀嚼機能の十分な回復が困難な症例であること

一方、虫歯や歯周病が原因で歯を失ったケースは対象外となり、保険は適用されません。

自分の症状が条件に当てはまるかどうかは、専門の医療機関で診断を受けて確認する必要があります。

医療機関側の条件

インプラント治療を保険で受けるためには、患者側だけでなく医療機関側にも厳しい条件があります。

代表的な例としては、以下のとおりです。

  • 病院であること(歯科医院や無床診療所は不可)
  • 病院内に20床以上の入院設備があること
  • 歯科、または歯科口腔外科を標榜している保険医療機関であること
  • 5年以上の歯科診療経験を有する、もしくは3年以上のインプラント治療経験を有する常勤の歯科医師が2名以上配置されていること
  • 当直体制が整備されていること(24時間歯科医師の待機体制)
  • 医療機器や医薬品の安全管理体制が整備されていること
  • 国が定めている診療基準や設備要件を満足していること

大学病院レベルの設備や体制が求められるため、一般的な歯科クリニックで保険適用のインプラント治療を受けることはできません。

インプラント治療の費用負担を抑えるための方法

インプラント治療の費用負担を抑えるための方法は、以下の4つです。

  • 確定申告で税金の還付を受ける「医療費控除」
  • 月々の支払いを楽にする「デンタルローン・分割払い」
  • 加入中の民間保険から「手術給付金」がおりるか確認する
  • 複数の歯科医院を比較検討して適正価格を知る

ひとつずつ解説します。

確定申告で税金の還付を受ける「医療費控除」

インプラント治療の費用は「医療費控除」の対象になります。

医療費控除とは、1年間にかかった医療費が一定額を超えた場合に、確定申告を通じて所得税や住民税の一部が還付される制度です。

対象となるのは本人の医療費だけでなく、生計を共にする家族の医療費も合算可能です。

手続きは翌年の確定申告期間におこなう必要があるため、領収書などの証明書類は忘れずに保管しておきましょう。

月々の支払いを楽にする「デンタルローン・分割払い」

まとまった費用を一度に支払うのが難しい場合には、デンタルローンやクレジットカードの分割払いを利用できます。

デンタルローンは歯科治療専用のローンで、銀行や信販会社が取り扱っており、一般的なカードローンより金利が低めに設定されていることが多いのが特徴です。

審査に通ると、月々の負担を抑えながら治療を始められます。

多くの歯科医院で提携ローンが用意されているため、事前に相談してみると安心です。

加入中の民間保険から「手術給付金」がおりるか確認する

加入している生命保険や医療保険によっては、インプラント治療が「手術給付金」の対象となる場合があります。

契約内容に「歯科手術」や「インプラント手術」といった特約の記載がないかを確認してみましょう。

ただし、適用条件は保険会社や契約内容によって大きく異なるため、必ず事前に保険会社へ問い合わせることが大切です。

その際、給付の対象となるか、必要な書類は何かを確認しておくと安心です。

複数の歯科医院を比較検討して適正価格を知る

インプラントは自由診療のため、治療費は歯科医院ごとに大きく異なります。

そのため、複数の医院でカウンセリングや見積もりを取り、比較することが大切です。

結果的に、地域の費用相場を知れるだけでなく、各医院の治療方針や設備、医師との相性も確認できます。

費用の安さだけで決めるのではなく、技術力や信頼性も含めて総合的に判断し、納得のいく治療を適正な価格で選びましょう。

インプラントで後悔しないために信頼できる歯科医院の選び方

インプラントで後悔しないために信頼できる歯科医院の選び方は、以下の4つです。

  • 医師の専門資格や豊富な症例実績を確認する
  • 歯科用CTによる精密な検査・診断がおこなえる
  • メリットだけでなくリスクや費用も丁寧に説明してくれる
  • 保証制度や治療後のメインテナンス体制が整っている

それぞれ解説します。

また、インプラント歯科の選び方は、以下の記事で解説しています。

詳細は「インプラント歯科の選び方は?選ぶポイントと考慮するべきリスクを紹介」をご覧ください。

医師の専門資格や豊富な症例実績を確認する

インプラント治療を任せる医師の資格や実績は、必ずチェックしておくべき重要なポイントです。

たとえば、日本口腔インプラント学会など主要な学会が認定する「専門医」や「指導医」の資格を持っているかどうかは、判断基準の一つになります。

さらに、その医師がこれまでにどのくらいの症例を経験しているか、実績の豊富さも大切な指標です。

歯科医院のWebサイトなどで事前に確認しておくと、安心して治療を任せられるでしょう。

歯科用CTによる精密な検査・診断がおこなえる

インプラント治療を安全かつ確実におこなうには、歯科用CTを使った精密な検査と診断が欠かせません。

顎の骨の厚みや硬さ、神経や血管の位置を三次元的に詳しく把握できるためです。

従来のレントゲンでは得られない情報を確認できることで、手術リスクを大きく減らし、患者ごとに最適な治療計画を立てられます。

歯科用CTを完備しているかどうかは、医院を選ぶ際の重要なチェックポイントです。

メリットだけでなくリスクや費用も丁寧に説明してくれる

インプラント治療を受けるなら、メリットだけでなくリスクや費用まで丁寧に説明してくれる誠実な医院を選ぶことが大切です。

信頼できる歯科医師は、治療の利点だけでなく潜在的なリスクやデメリット、起こり得る合併症についても包み隠さず伝えてくれます。

さらに、治療費の内訳や治療後のメインテナンス費用といったお金に関する説明も明確である必要があります。

患者の疑問や不安に真剣に向き合い、納得できるまで対話してくれる姿勢があるかどうかが、医院を見極める大きなポイントです。

保証制度や治療後のメインテナンス体制が整っている

インプラント治療は手術が終わって完了ではなく、その後の定期的なメインテナンスが欠かせません。

そのため、治療後のフォロー体制や保証制度が整っているかどうかは重要な確認ポイントです。

基本的に歯科医院では、インプラントに不具合が起きた場合に備え、独自の保証制度を用意しています。

保証期間や内容、そしてメインテナンスの流れについても、事前にしっかり確認しておくことが大切です。

まとめ

インプラント治療が将来的に安くなる可能性は低く、むしろ治療を先延ばしにすることで、顎の骨が痩せてしまい、かえって治療が困難・高額になるリスクがあります。

失った歯を放置することは、歯並びの悪化や全身の健康への影響など、多くのデメリットを引き起こしかねません。

久喜総合歯科では「毎週月曜日、水曜日、土曜日」に、インプラントを検討している方を対象とした無料相談会を実施しております。

また、インプラントをはじめ、入れ歯や審美歯科など、患者さんの状態に適したご提案・治療をおこなっております。

もし費用負担をできるだけ軽減しながら、安心してインプラント治療を受けたい方はぜひお気軽にご相談ください。

久喜の歯医者|久喜総合歯科

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インプラント治療における静脈内鎮静法とは?概要やメリットを解説

「インプラント治療における静脈内鎮静法とは?」

「インプラントの静脈内鎮静法でどの程度痛みや不安が軽減できるのか知りたい」

「静脈内鎮静法を使ったインプラント治療の安全性を確認したい」

上記の疑問をお持ちの方は、インプラント治療に興味はあるけど、手術の痛みや不安でなかなか踏み出せないでいるのではないでしょうか。

インプラント治療への不安を和らげる静脈内鎮静法は、歯科恐怖症の方や嘔吐反射が強い方にとって有効な選択肢です。

本記事では、「インプラント治療における静脈内鎮静法や概要、メリット」を紹介します。

静脈内鎮静法を用いた一般的なインプラント手術の流れまで紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。

インプラント治療における静脈内鎮静法とは?

インプラント治療における静脈内鎮静法については、以下のとおりです。

  • 静脈内鎮静法ではどのような状態になるのか
  • 全身麻酔との違い

それぞれ解説します。

また、インプラント手術における麻酔については、以下の記事で解説しています。

詳細は「インプラント手術で麻酔を使用する?種類別の費用やメリットまで解説」をご覧ください。

静脈内鎮静法ではどのような状態になるのか

静脈内鎮静法を使うと、まるでうたた寝をしているように、頭がぼんやりしてリラックスした状態になります。

鎮静薬が脳の働きを落ち着かせるため、不安や緊張を感じにくくなるのです。

完全に意識がなくなるわけではなく、歯科医師から「お口を開けてください」といった簡単な声かけには応じられます。

つまり、ぐっすり眠ってしまうのとは違い、心地よい感覚を保ちながら治療を受けられるのが、この麻酔法の特徴です。

全身麻酔との違い

静脈内鎮静法と全身麻酔の大きな違いは「意識の有無」と「呼吸の方法」にあります。

全身麻酔では意識が完全になくなり、人工呼吸器を使って呼吸を管理する必要があります。

これに対して静脈内鎮静法では、意識は保たれたままリラックスでき、自分の力で呼吸を続けられるのが特徴です。

体への負担も小さく、安全性が高い方法といえるでしょう。

静脈内鎮静法はこんな方におすすめ

静脈内鎮静法は、歯科治療に強い恐怖心を抱いている方や、器具が口に入ると吐き気が出てしまう「嘔吐反射」が強い方に向いています。

緊張によってこれらの症状は悪化しやすいですが、鎮静法によって心身が落ち着くと大きく軽減されます。

さらに、複数のインプラント埋入や骨造成といった長時間の外科処置でも、体感時間が短く感じられるため負担が少なくなるのが特徴です。

インプラント手術に不安やストレスを抱えている方にとって、検討する価値のある方法といえます。

静脈内鎮静法でインプラント手術を受けるメリット

静脈内鎮静法でインプラント手術を受けるメリットは、以下の3つです。

  • 楽な気持ちで手術に臨める
  • 手術中の記憶が残りにくい
  • インプラント手術の安全性が高まる

ひとつずつ解説します。

楽な気持ちで手術に臨める

静脈内鎮静法を使うと、不安や恐怖、緊張が和らぎ、落ち着いた気持ちで手術を受けられます。

鎮静薬が脳の不安を感じる働きに作用し、心を穏やかにしてくれるためです。

状態としては眠る直前のように心地よく、手術に対するマイナスの感情が自然と薄れていきます。

安心して治療に臨めることは、患者さんにとって大きなメリットです。

手術中の記憶が残りにくい

静脈内鎮静法には「健忘効果」があり、手術中の記憶がほとんど残らないという特徴があります。

ドリルの音や振動、医師との会話などを実際には体験していても、あとから思い出すことはほとんどありません。

そのため、手術を怖い記憶として残してしまうリスクを大きく減らせます。

インプラント治療を安心して終え、前向きな体験として受け止められる点は、この方法の大きな利点です。

インプラント手術の安全性が高まる

静脈内鎮静法を用いると、患者さんがリラックスできるため、インプラント手術の安全性も向上します。

恐怖や緊張によって血圧が急に上がったり、体が無意識に動いたりするリスクを防げるためです。

全身の状態が安定していれば、執刀医は処置に集中でき、より正確でスムーズな手術をおこなえます。

つまり、この方法は患者さんの安心につながるだけでなく、手術の質そのものを高める効果も持っています。

インプラント治療で静脈内鎮静法を使うデメリットとリスク

インプラント治療で静脈内鎮静法を使うデメリットとリスクは、以下の3つです。

  • 麻酔から回復するまでに時間がかかる
  • 追加費用がかかる
  • 多少なりともリスクをともなう

それぞれ解説します。

麻酔から回復するまでに時間がかかる

静脈内鎮静法のデメリットは、手術後に意識がはっきりするまで少し時間がかかる点です。

鎮静薬の効果が切れる速さには個人差があるため、完全に回復するまでには待機が必要です。

一般的には30分〜1時間ほどリカバリー室で安静にし、ふらつきがないか確認したうえで帰宅となります。

また、当日は車や自転車の運転はできないため、予定には余裕を持つことが大切です。

追加費用がかかる

静脈内鎮静法には追加費用がかかりますが、条件によっては健康保険が適用され、3割負担で「2,500円~4,000円程度」で受けられる場合もあります。

しかし、自費診療となると数万円から十数万円ほどの費用が発生します。

これは、インプラント治療費とは別に、専門の歯科麻酔医や専用機材、薬剤などが必要になるためです。

金額は歯科医院によって異なるため、治療計画を立てる際には総額を事前に確認しておくことが重要です。

多少なりともリスクをともなう

静脈内鎮静法は安全性の高い方法ですが、鎮静薬を使う以上、リスクが全くないわけではありません。

ごくまれに呼吸が浅くなったり、血圧が下がったりする偶発症が起こる場合もあります。

そのため、経験豊富な歯科麻酔医が全身の状態を細かく監視し、万が一に備えることが重要です。

信頼できる医療体制のもとでおこなわれてこそ、静脈内鎮静法は安心して受けられる処置となります。

静脈内鎮静法を用いた一般的なインプラント手術の流れ

静脈内鎮静法を用いた一般的なインプラント手術の流れは、以下のとおりです。

  • カウンセリングを受けて万全の準備で当日を迎える
  • 来院後は体調を確認して点滴でリラックス状態に入る
  • 手術中は生体情報モニターで常に全身を管理する
  • 術後は意識がはっきりするまでリカバリー室で休む
  • 帰宅時の注意を守って翌日以降は安静に過ごす

ひとつずつ解説します。

カウンセリングを受けて万全の準備で当日を迎える

安全に治療を進めるためには、事前のカウンセリングが欠かせません。

この段階で既往歴や服用中の薬、アレルギーの有無などを詳しく確認し、患者さんに合った鎮静薬を選びます。

これは、万全の体制を整えるために必要なプロセスです。

また、不安や疑問がある場合は、この機会にすべて相談して解消しておくことが大切です。

来院後は体調を確認して点滴でリラックス状態に入る

手術当日は、まず来院後に血圧測定などをおこない、体調に問題がないかを最終チェックしたあと、腕の静脈から点滴で鎮静薬を投与します。

薬が体内に入ると数分で眠気が訪れ、肩の力が抜けるように心地よいリラックス状態へと移行します。

この時点では、治療に対する不安も自然と和らいでいるでしょう。

手術中は生体情報モニターで常に全身を管理する

手術が始まると、歯科麻酔の専門医が患者さんのそばで全身の状態を細かく管理します。

指先には血中酸素を測るセンサー、腕には血圧計、胸には心電図を装着し、生体情報モニターで呼吸や循環の変化を常にチェックします。

万が一異常があっても、すぐに対応できる体制が整っているのです。

この徹底した管理こそが、静脈内鎮静法の高い安全性を支えています。

術後は意識がはっきりするまでリカバリー室で休む

手術が終わっても、すぐに帰宅することはできません。

鎮静薬の作用が残っているため、意識や体の動きが安定するまで、リカバリー専用の部屋で休みます。

通常は30分〜1時間ほどで会話がしっかりできるようになり、ふらつきなく歩ける状態まで回復します。

焦らず落ち着いて休む時間をとることが、安全に帰宅するために大切です。

帰宅時の注意を守って翌日以降は安静に過ごす

麻酔から十分に回復したことを確認してから帰宅となりますが、いくつか守るべき注意点があります。

鎮静薬の影響が完全に抜けるまでは集中力や判断力が落ちているため、自分で車や自転車を運転するのは厳禁です。

できればご家族に迎えをお願いするか、公共交通機関を利用しましょう。

帰宅後は無理をせず休養をとり、翌日以降も安静に過ごすことが、順調な回復につながります。

静脈内鎮静法に対応した歯科医院を選ぶ際のポイント

静脈内鎮静法に対応した歯科医院を選ぶ際のポイントは、以下の4つです。

  • 歯科麻酔を専門とする医師が在籍している
  • 安全管理のための設備が十分に整っている
  • 不安に寄り添い丁寧な説明を徹底している
  • 治療にかかる費用体系が分かりやすい

それぞれ解説します。

また、インプラント歯科の選び方については、下記の記事で解説しています。

詳細は「インプラント歯科の選び方は?選ぶポイントと考慮するべきリスクを紹介 」をご覧ください。

歯科麻酔を専門とする医師が在籍している

安全性を左右する最も重要なポイントは、歯科麻酔を専門とする医師が治療に立ち会うかどうかです。

日本歯科麻酔学会の認定医や専門医のように、麻酔に関する高度な知識と技術、そして緊急時の対応経験を持つ医師が在籍しているかを確認しましょう。

執刀医が麻酔管理を兼任するのではなく、専任の麻酔専門医が担当する体制こそが、安全性を大きく高めます。

安全管理のための設備が十分に整っている

安全に治療を受けるためには、設備が整っているかどうかも大切な確認ポイントです。

手術中に全身の状態を監視する生体情報モニターはもちろん、万が一に備えて救急蘇生キットやAED、酸素ボンベなどの医療機器が完備されていることが重要です。

こうした設備が揃っている医院は、安全管理に対する意識が高いといえます。

不安に寄り添い丁寧な説明を徹底している

治療内容やリスク、費用について、不安な気持ちに寄り添いながら丁寧に説明してくれる医院を選ぶことが大切です。

専門用語ばかりではなく、わかりやすい言葉でメリットとデメリットをきちんと伝えてくれる姿勢は、信頼関係を築くうえで欠かせません。

カウンセリングの際に質問しやすい雰囲気があるかどうかも、安心して治療を任せられる医院かどうかを見極めるポイントになります。

治療にかかる費用体系が分かりやすい

静脈内鎮静法は自費診療となる場合が多いため、料金体系が明確に提示されていることが重要です。

カウンセリングの段階で、麻酔にかかる総額を具体的に示し、追加費用の有無まで分かりやすく説明してくれる医院を選びましょう。

費用の透明性が高い医院は、誠実な医療をおこなっている証ともいえます。

まとめ

インプラント治療への不安を和らげる静脈内鎮静法は、歯科恐怖症の方や嘔吐反射が強い方にとって有効な選択肢です。

この方法を用いれば、うたた寝をしているようなリラックスした状態で、気づいたときには手術が終わっているという体験が可能になります。

しかし、その効果と安全性を最大限に引き出すには、歯科麻酔の専門医が在籍し、安全管理設備が整った信頼できる歯科医院を選ぶことが不可欠です。

久喜総合歯科では「毎週月曜日、水曜日、土曜日」に、インプラントを検討している方を対象とした無料相談会を実施しております。

また、インプラントをはじめ、入れ歯や審美歯科など、患者さんの状態に適したご提案・治療をおこなっております。

もし費用負担をできるだけ軽減しながら、安心してインプラント治療を受けたい方はぜひお気軽にご相談ください。

久喜の歯医者|久喜総合歯科

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インプラントの将来的なリスクとは?長期的なメリットまで紹介

「インプラントの将来的なリスクとは?」

「インプラントの寿命や将来のリスクについて知りたい」

「高齢になったときに治療が続けられるか確認したい」

上記の疑問をお持ちの方は、インプラント治療を検討しているものの、将来的なトラブルや失敗のリスクに対して不安を感じているのではないでしょうか。

インプラントの治療を受ける際、将来のリスクや維持方法についてしっかりと把握しておくことが大切です。

しかし、治療後のメンテナンスや予期しない問題について考えたことがない方もいるでしょう。

本記事では、「インプラントの将来的なリスクや、長期的なメリット」を紹介します。

将来を考えるとインプラントはしない方が良いのかまで紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。

インプラントの将来的なリスク

インプラントの将来的なリスクは、以下の8つです。

  • インプラント周囲炎で歯茎や骨が弱る
  • 被せ物(上部構造)が壊れる・外れる
  • 歯茎が下がり見た目が悪くなる
  • 加齢や病気で維持が難しくなる
  • 修理や再治療で追加費用がかかる
  • 歯ぎしりや食いしばりで過度な力がかかる
  • 喫煙で歯茎の免疫力が低下する
  • 歯科医院の定期検診を怠る

それぞれ解説します。

インプラント周囲炎で歯茎や骨が弱る

インプラントにおいて最も注意すべき病気がインプラント周囲炎です。

インプラントに関連する歯周病で、進行すると顎の骨を溶かしてしまい、最悪の場合インプラントが抜けてしまうリスクを伴います。

原因はインプラント周りに付着した細菌で、歯茎に炎症が起こり、そこから骨を破壊していきます。

とくにインプラントは神経がないため、症状が現れにくく、気づいたときには進行しているケースが多いです。

インプラントの寿命に大きく影響するのが、インプラント周囲炎です。

被せ物(上部構造)が壊れる・外れる

インプラント本体は非常に長持ちしますが、上に取り付ける被せ物(上部構造)は消耗品で、破損や脱落のリスクがあります。

インプラント本体は丈夫なチタン製ですが、被せ物はセラミックなどで作られているため、時間の経過とともに劣化します。

強い歯ぎしりや硬いものを噛んだ際の衝撃で、ある日突然欠けたり外れたりする場合もあるため注意が必要です。

インプラント治療では、本体だけでなく、被せ物にも寿命があることを理解しておくのが大切です。

歯茎が下がり見た目が悪くなる

加齢などにより歯茎が下がると、インプラントの見た目にも影響が出るリスクがあります。

年齢を重ねると歯茎が薄くなり下がることで、インプラントと歯茎の境目に金属部分が露出してしまう場合があります。

とくに前歯の場合、歯が長く見え、隣の歯との間に黒い三角形の隙間(ブラックトライアングル)ができてしまうケースもあるため注意が必要です。

インプラントは、長期的な使用で、口元の見た目が変化する可能性があることを理解しておきましょう。

加齢や病気で維持が難しくなる

将来的に、加齢や病気によってインプラントの維持が難しくなるリスクにも考慮が必要です。

年齢を重ねると、身体機能や認知機能が低下し、これまで通りのセルフケアや定期的な通院が困難になる場合も多いです。

たとえば、体力の衰えで毎日の歯磨きや、認知症によって通院が難しくなるケースも考えられます。

自身の身体的な変化が、最終的にインプラントの寿命を縮める原因となる場合があります。

修理や再治療で追加費用がかかる

インプラントに問題が発生した場合、修理や再治療に伴う高額な追加費用が発生する経済的なリスクもあります。

インプラント治療は自由診療であり、健康保険が適用されないため、治療費は高額です。

将来的に、被せ物の交換やインプラント周囲炎の治療が必要になる場合、その都度まとまった費用がかかります。

そのため、治療開始時だけでなく、将来のメンテナンス費用についても十分に考慮しておくことが重要です。

歯ぎしりや食いしばりで過度な力がかかる

歯ぎしりや食いしばりの癖は、インプラントに過度な負担をかけ、破損や脱落のリスクを高める要因です。

とくに睡眠中などの無意識の歯ぎしりは、食事中と比べてはるかに強い力で歯をすり合わせている場合があります。

この強い力がインプラントに繰り返しかかることで、被せ物が欠けたり、インプラント本体と骨の結合が崩れたりする原因になります。

もしご自身にこうした癖がある場合、インプラント治療には特別な注意が必要です。

喫煙で歯茎の免疫力が低下する

喫煙はインプラント周囲炎のリスクを大幅に高め、インプラントの寿命を短くする原因です。

タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる作用があり、これが歯茎の血流を悪化させます。

血流が悪くなることで、細菌に対する抵抗力が低下し、炎症が発生しやすく、治りにくくなります。

喫煙習慣は、インプラントの長期的な成功を妨げる重要なリスク要因となります。

歯科医院の定期検診を怠る

インプラントの成功は、歯科医院での定期的なメインテナンスを続けることにかかっています。

日々のセルフケアは大切ですが、自己ケアでは取り除けない汚れや初期の異常をプロの目で確認してもらうことが必要です。

たとえば、噛み合わせのわずかな変化や初期のインプラント周囲炎などは、定期検診でないと見逃されがちです。

治療後のメンテナンスを怠ることで、インプラントの失敗につながる場合もあります。

将来を考えるとインプラントはしない方が良いのか?

結論、インプラントを避けるべきだと一概に言うことはできません。

インプラントに将来的なリスクは存在しますが、日々の丁寧なセルフケアと定期的な歯科医院でのプロフェッショナルケアによって管理できます。

リスクよりも、長期的に得られるメリットの方が大きい可能性も十分にあります。

リスクだけを見て諦めるのではなく、歯科医師と相談のうえ、自身に最適な治療を選択するのがおすすめです。

インプラント治療がもたらす長期的なメリット

インプラント治療がもたらす長期的なメリットは、以下の9つです。

  • 自分の歯のようにしっかり噛める
  • 残っている健康な歯を守れる
  • 見た目が自然で美しい
  • 食事の楽しみが広がり栄養バランスが整う
  • 発音が安定し会話を楽しめる
  • 顎の骨が痩せるのを防げる
  • 日々の手入れがしやすい
  • 自信を取り戻し精神的に満足できる
  • 口腔全体の健康を維持しやすくなる

ひとつずつ解説します。

自分の歯のようにしっかり噛める

インプラントは、自分の歯のようにしっかりと何でも噛めるようになるメリットがあります。

インプラントは顎の骨に直接固定されるため、入れ歯のようにズレたり、ブリッジのように土台を気にしたりする必要がありません。

硬いおせんべいや粘着性のあるお餅など、これまで避けていた食べ物も気兼ねなく楽しめます。

この「噛める喜び」は、日々の食生活を豊かにしてくれる、何にも代えがたい利点です。

残っている健康な歯を守れる

インプラントは、ブリッジや部分入れ歯とは異なり、残っている健康な歯に負担をかけないメリットがあります。

ブリッジ治療では、失った歯の両隣の健康な歯を大きく削らなければなりません。

また、部分入れ歯は、バネをかけた歯に負担がかかり、その歯の寿命を縮める可能性があります。

インプラントは独立した治療法のため、ほかの大切な歯を守れます。

見た目が自然で美しい

インプラントは、天然歯とほとんど見分けがつかないほど、自然で美しい見た目を再現できます。

これは、透明感や色調を細かく調整できるセラミックなどの高品質な素材を使用するためです。

たとえば、隣の歯と色味を合わせることで、会話している距離では人工歯だと気づかれにくい仕上がりになります。

インプラントの高い審美性は、口元のコンプレックスを解消し、精神的な満足感にもつながります。

食事の楽しみが広がり栄養バランスが整う

噛む機能が回復することで、食事の楽しみが戻り、全身の健康維持にもつながります。

食べられるものの幅が広がるため、さまざまな食材からバランスよく栄養の摂取が可能です。

たとえば、噛み応えのある根菜や食物繊維が豊富なきのこ類なども、しっかり噛んで食べられます。

豊かな食生活は、健康寿命を延ばすためにも重要です。

発音が安定し会話を楽しめる

インプラントにすることで、言葉が明瞭になり、人との会話を気兼ねなく楽しめます。

入れ歯のようにズレたり空気が漏れたりする心配がなく、顎の骨にしっかり固定されているためです。

とくに「サ行」や「タ行」など、息が漏れやすい発音もはっきり話せるようになります。

ストレスのない円滑なコミュニケーションは、社会的なつながりを保つうえでも重要なポイントです。

顎の骨が痩せるのを防げる

インプラントは、噛む刺激を骨に直接伝えるため、顎の骨が痩せていくのを防ぐ効果が期待できます。

歯を失った部分の骨は、刺激がなくなることで徐々に吸収されてしまいますが、インプラントは天然歯の根のように骨に刺激を与えるため、骨の維持が可能です。

その結果、歯が失われた部分の口元がくぼんで老けた印象を防ぎます。

インプラントは、長期的に若々しい口元を保つのに役立ちます。

日々の手入れがしやすい

インプラントは、基本的なケアが自分の歯と同じように歯磨きで済む点もメリットです。

入れ歯のように、毎食後に取り外して洗浄したり、就寝時に洗浄液に浸けたりする必要はありません。

もちろん、インプラント専用の丁寧なブラッシングは必要ですが、日常の生活習慣のなかでスムーズにケアを取り入れられます。

手入れのしやすさは、長期的に使用するうえで重要なポイントです。

自信を取り戻し精神的に満足できる

インプラントは、口元の機能と見た目を改善することで、精神的な満足感や自信を与えてくれます。

たとえば、食事や会話、笑顔といった日常的な行動を何の気兼ねもなく楽しむことが可能です。

口元を気にせずに笑えるようになったり、好きな食べ物を美味しく楽しめるようになったりすることで、気持ちが前向きになれます。

生活の質の向上は、人生をより豊かにする大きなメリットです。

口腔全体の健康を維持しやすくなる

インプラントの定期検診に通う習慣を身につけることで、口の中全体の健康を保ちやすくなります。

インプラントを長持ちさせるためには、数ヶ月に一度のプロフェッショナルによるメインテナンスが欠かせません。

メインテナンスでは、インプラントだけでなく、ほかの歯の虫歯や歯周病もチェックされるため、トラブルの早期発見や早期治療が可能です。

インプラント治療が、口腔全体の健康を守る大切なきっかけにもなります。

インプラントで将来的に後悔しないための歯科医院の選び方

インプラントで将来的に後悔しないための歯科医院の選び方は、以下の4つです。

  • インプラントの経験が豊富で専門資格を持つ医師がいる
  • 歯科用CTなど精密検査のための設備が整っている
  • 将来のリスクや費用について丁寧に説明してくれる
  • 治療後の保証や長期的なメインテナンス体制がある

それぞれ解説します。

インプラントの経験が豊富で専門資格を持つ医師がいる

インプラントで将来的に後悔しないために重要なのは、治療を担当する歯科医師の経験と専門性です。

学会などが認定する専門医資格は、一定水準以上の知識と技術を持っていることを客観的に証明します。

豊富な症例経験を持っていることはもちろん、カウンセリングの際には、これまでの実績や症例写真を見せてもらい、信頼できる医師かどうかを確認しましょう。

安心して治療を任せられる医師を選ぶことが、後悔しないための第一歩となります。

歯科用CTなど精密検査のための設備が整っている

安全で正確な手術をおこなうためには、歯科用CTなどの高度な設備が必要です。

術前に歯科用CTで撮影することで、顎の骨の厚みや硬さ、神経や血管の位置を三次元的に正確に把握できます。

結果的に、手術のリスクを最小限に抑え、一人ひとりに最適な治療計画を立てることが可能になります。

もしCT設備が院内にない歯科医院の場合は、慎重に選ぶのが大切です。

将来のリスクや費用について丁寧に説明してくれる

インプラント治療のメリットだけでなく、リスクや治療の総額費用についても、患者が納得するまで丁寧に説明してくれる医院を選びましょう。

長期にわたる高額な治療だからこそ、十分な情報提供に基づいて患者自身が納得すること(インフォームド・コンセント)が不可欠です。

とくに、保証内容や期間、治療後のメンテナンスにかかる費用は、事前にしっかり確認しておくべき重要なポイントです。

質問しやすい雰囲気で、疑問に誠実に答えてくれる姿勢は、信頼できる医院を見極める際の大きな判断基準となります。

治療後の保証や長期的なメインテナンス体制がある

治療後の保証制度と、長期的なメンテナンス体制が整っていることを必ず確認しましょう。

インプラント治療は、治療が終わった後が本当のスタートであり、長期的に安定させるためには定期的なメンテナンスが欠かせません。

万が一トラブルが起きた場合にどのような保証が受けられるか、また、転居などの状況に対応できる継続的な通院体制が整っているかを確認するのが重要です。

治療後の長期的な安心感を提供してくれる医院を選ぶことで、将来の後悔を防げます。

まとめ

インプラントは、将来的にリスクがあることも理解しておく必要がありますが、リスクに対する適切な対策を講じることで、メリットを長期間維持することが可能です。

また、定期的なメンテナンスや適切なケアをおこなうことが、インプラントの寿命を延ばし、健康な口元を保つためのポイントとなります。

久喜総合歯科では「毎週月曜日、水曜日、土曜日」に、インプラントを検討している方を対象とした無料相談会を実施しております。

また、インプラントをはじめ、入れ歯や審美歯科など、患者さんの状態に適したご提案・治療をおこなっております。

もし将来的にリスクをできるだけ軽減しながら、安心してインプラント治療を受けたい方はぜひお気軽にご相談ください。

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インプラントは高齢になったときでも可能?後悔しないコツを紹介

「インプラントは高齢になったときでも可能?」

「インプラントが高齢になってもしっかりと機能し続けるか知りたい」

「インプラント以外の治療法とも比較して最適な治療を決めたい」

上記の疑問をお持ちの方は、高齢になってからインプラントを入れることが不安で、リスクを回避したいとお考えなのではないでしょうか。

インプラントは高齢になったときでも可能ですが、加齢による身体や生活の変化が治療前後のトラブルの原因になる場合もあります。

本記事では、「インプラントは高齢になったときどうなるのか、後悔しないコツ」を紹介します。

インプラントは何歳まで可能なのかまで紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。

インプラントは高齢になったときでも可能?

高齢者のインプラントは可能ですが、加齢による身体や生活の変化が治療前後のトラブルの原因になる場合もあります。

ご自身の歯のようにしっかり噛めるため食事や会話は豊かになりますが、将来身体が不自由になると日々の手入れが難しくなるリスクも考えられます。

治療を受ける際はメリットだけでなく、長期的な視点でデメリットも理解しておくことが重要です。

生活の質を維持する助けになる一方、将来起こりうる変化まで見据え、慎重に検討する必要があります。

インプラントは何歳まで可能なのか

インプラント治療に明確な年齢の上限はなく、「年齢」そのものよりも「個人の健康状態」が最も重要です。

80歳以上の方でも治療を受け、快適な生活を送っているケースは少なくありません。

治療の可否は、糖尿病や骨粗しょう症といった持病のコントロール状態、顎の骨の量や質などから総合的に判断されます。

「もう高齢だから」と諦める必要はなく、まずはご自身の健康状態を歯科医師に相談してみることが大切です。

高齢になったとしてもインプラントがおすすめな5つの理由

高齢になったとしてもインプラントがおすすめな理由は、以下の5つです。

  • 食事や会話の楽しみが戻って生活の質が向上する
  • 見た目が自然で若々しい印象を保てる
  • 残っている自分の歯を健康に保てる
  • 顎の骨が痩せるのを防いで顔の輪郭を維持できる
  • 健康寿命を延ばして将来の病気リスクを軽減できる

それぞれ解説します。

食事や会話の楽しみが戻って生活の質が向上する

インプラントにすると、ご自身の歯のようにしっかり噛めるようになり、日々の満足度が格段に向上します。

硬いものも気にせず食べられるため食事の制限がなくなり、食生活が豊かになります。

入れ歯のようにズレたり外れたりする心配もなく、発音が安定し会話もスムーズに楽しむことが可能です。

インプラントは食事や会話という日常の楽しみを取り戻し、生活全体の質を高めてくれます。

見た目が自然で若々しい印象を保てる

インプラントは見た目が天然の歯とほとんど変わらないため、自信を持って笑ったり話したりでき、精神的な若々しさにつながります。

入れ歯のように金属のバネが見える心配もなく、顎の骨に直接固定するため、自然な口元を再現できます。

口元の印象は、その人の全体的な印象を大きく左右します。

自然な笑顔を取り戻すことは、気持ちを前向きにし、より活動的な毎日を送るきっかけになるでしょう。

残っている自分の歯を健康に保てる

インプラントは、ブリッジや部分入れ歯と違い、周囲の健康な歯に負担をかけないため、口全体の健康を長く維持できます。

たとえば、ブリッジは両隣の健康な歯を削る必要があり、部分入れ歯はバネをかける歯に負担が集中し、その歯の寿命を縮めてしまう場合があります。

しかし、インプラントは失った歯の部分だけで完結する独立した治療です。

結果的に、残っている大切な歯を守ることにもつながります。

顎の骨が痩せるのを防いで顔の輪郭を維持できる

インプラントは噛む刺激が直接骨に伝わるため、歯が抜けた後に起こりがちな顎の骨の吸収を防ぎ、顔の輪郭を維持できます。

歯を失うと、その部分の顎の骨は、刺激がなくなるため痩せやすいです。

骨が痩せると、頬がこけたり口元にしわが寄ったりと、老けた印象を与える原因になります。

インプラントは天然歯と同様に骨へ刺激を伝えられるため、若々しい顔つきを保つ効果も期待できるのです。

健康寿命を延ばして将来の病気リスクを軽減できる

インプラント治療は、よく噛む習慣を取り戻すことで将来の病気リスクを軽減し、健康寿命の延伸に貢献できます。

しっかり噛む行為は脳に良い刺激を与え、認知症予防につながりやすいです。

また、入れ歯より清潔に保ちやすいため、細菌の繁殖が原因となる誤嚥性肺炎のリスクを低減する効果も期待できます。

お口の健康維持は、全身の健康を守り、より長く自立した生活を送るために重要です。

インプラントにおける高齢になったときのリスク

インプラントにおける高齢になったときのリスクは、以下の5つです。

  • 持病や体力低下により外科手術ができない
  • 治療やメンテナンスに高額な費用がかかる
  • 加齢や要介護状態で日々の手入れが困難になる
  • 手入れを怠ると「インプラント周囲炎」で歯が抜ける

ひとつずつ解説します。

持病や体力低下により外科手術ができない

重度の糖尿病や骨粗しょう症など、持病が悪化したり体力が低下したりすると、将来的に再治療やメインテナンスに伴う外科手術が受けられなくなる場合があります。

インプラントに問題が起きた場合や、新たに追加治療が必要になった際に、健康状態によっては手術が不可能と判断され、適切な処置ができなくなるケースが考えられます。

現在の健康状態だけでなく、将来的な変化も考慮することが大切です。

治療やメンテナンスに高額な費用がかかる

インプラントは保険適用外の自由診療であり、治療費が高額です。

さらに、その状態を長く維持するための定期メインテナンスにも、継続して費用が発生します。

治療時にまとまった費用がかかるだけでなく、数十年という長いスパンで維持費が必要になる点を理解しておく必要があります。

年金の範囲内で払い続けられるかなど、長期的な資金計画を立てておくことが重要です。

加齢や要介護状態で日々の手入れが困難になる

加齢で視力や手指の機能が衰えたり、将来的に要介護状態になったりすると、毎日の丁寧なセルフケアが難しくなります。

インプラントは天然歯以上に丁寧な清掃が必要ですが、ご自身での歯磨きが困難になるかもしれません。

また、介護施設のスタッフが専門的なケアに対応できないケースも考えられます。

ご家族や介護者の協力が得られるかどうかも含め、将来のケア体制を事前に考えておきましょう。

手入れを怠ると「インプラント周囲炎」で歯が抜ける

セルフケアが不十分だと、インプラントの歯周病である「インプラント周囲炎」を引き起こす場合があります。

インプラント周囲炎は、自覚症状がないまま進行し、気づいた時には手遅れになっていることも少なくありません。

もし悪化するとインプラントを支える顎の骨が溶け、最悪の場合インプラントが抜け落ちてしまいます。

高額な費用をかけたインプラントを失わないためにも、日々の手入れの重要性を理解しておく必要があります。

インプラント治療を受けられないケースもある

インプラント治療は年齢に関わらず、特定の持病や口腔内の状態によっては、治療が適さない、あるいは受けられない場合があります。

たとえば、重度の糖尿病や心臓疾患、骨粗しょう症の薬を服用中の方は、手術のリスクが高まるため治療が困難になることがあります。

また、顎の骨の量が極端に少ない場合や、重度の歯周病がある場合も同様です。

インプラントの治療は、希望する方全員が受けられるわけではないことを、事前に知っておきましょう。

インプラント治療で後悔しないコツ

インプラント治療で後悔しないコツは、以下の6つです。

  • 治療のリスクと他の選択肢を十分に理解する
  • 歯科医師の経験・実績は必ず確認する
  • CTなど精密な検査設備が整っているか確認する
  • 納得できるまで何度でも質問・相談をする
  • 総額費用と保証内容を事前に書面で確認する
  • 治療後のメインテナンスに一生通う覚悟を持つ

それぞれ解説します。

治療のリスクと他の選択肢を十分に理解する

後悔しないためには、メリットだけでなくインプラントの限界やリスクを正しく知ったうえで、入れ歯など他の治療法とも比較し、総合的に判断することが大切です。

インプラントは素晴らしい治療法ですが万能ではありません。

外科手術のリスクや治療期間、費用や将来起こりうるトラブルを十分に理解し、ご自身の価値観やライフプランに最も合った治療法を選択することが、満足のいく結果につながります。

歯科医師の経験・実績は必ず確認する

高齢者のインプラント治療は、持病への配慮など若い世代とは異なる難しさがあるため、歯科医師の経験や実績を最優先で確認すべきです。

公式ホームページなどで、医師の経歴や資格(日本口腔インプラント学会専門医など)、年間治療本数といった客観的な情報をチェックしましょう。

とくに、多くの症例を経験している医師は、予期せぬトラブルへの対応力も高いと考えられます。

大切な身体を任せるうえで、信頼できる実績を持つ医師を選ぶことが重要です。

CTなど精密な検査設備が整っているか確認する

安全で正確なインプラント手術には、顎の骨の状態や神経・血管の位置を3次元で詳細に把握できる、歯科用CTでの術前検査が不可欠です。

従来のレントゲンでは骨の厚みや奥行きまで正確にわからず、CT検査をおこなうことで手術のリスクを大幅に低減できます。

インプラントを埋め込む位置や角度をミリ単位で計画できるため、医院を選ぶ際にはCT設備が導入されているかを必ず確認しましょう。

納得できるまで何度でも質問・相談をする

治療計画や費用、リスクについて少しでも疑問や不安があれば、遠慮せずに心から納得できるまで説明を求める姿勢が大切です。

患者の質問に丁寧に耳を傾け、分かりやすい言葉で答えてくれるかどうかは、信頼関係を築くうえで重要なポイントです。

カウンセリングの時間を十分に確保してくれるかも、良い歯科医院を見極める判断材料になります。

治療への最終的な同意は、すべてを理解し、納得したうえでおこないましょう。

額費用と保証内容を事前に書面で確認する

治療開始前には、口頭の説明だけでなく、総額費用や保証期間・内容が明記された見積書や契約書を必ず受け取り、内容を精査することが重要です。

インプラント治療では、当初の説明になかった追加費用が発生するトラブルも少なくありません。

「インプラント本体」「手術代」「被せ物」など、何にいくらかかるのか明確かを確認しましょう。

万が一に備え、保証の適用範囲や期間もしっかりと確認しておくことで、後々の不安を解消できます。

治療後のメインテナンスに一生通う覚悟を持つ

インプラントは「治療したら終わり」ではなく、その価値を長く保つために生涯にわたる定期的なプロのメインテナンスが不可欠です。

どんなに精巧なインプラントでも、メインテナンスを怠ればインプラント周囲炎などのトラブルを引き起こし、長持ちしません。

ご自身のセルフケアに加え、歯科医院での定期的なチェックとクリーニングを継続することが、インプラントの寿命を延ばすコツとなります。

治療を受ける前から、一生付き合っていく覚悟を持っておきましょう。

まとめ

インプラントは高齢になったときでも可能ですが、加齢による身体や生活の変化が治療前後のトラブルの原因になる場合もあります。

久喜総合歯科では「毎週月曜日、水曜日、土曜日」に、インプラントを検討している方を対象とした無料相談会を実施しております。

また、インプラントをはじめ、入れ歯や審美歯科など、患者さんの状態に適したご提案・治療をおこなっております。

もしインプラントのリスクをできるだけ軽減しながら、安心してインプラント治療を受けたい方はぜひお気軽にご相談ください。

久喜の歯医者|久喜総合歯科

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インプラントに代わる治療法とは?種類や治療法を選ぶポイントまで紹介

「インプラントに代わる治療法とは?」

「インプラントの費用やリスクを避けたい」

「インプラントに代わる治療法の種類が知りたい」

上記の疑問をお持ちの方は、インプラント治療の高額な費用や手術に対する不安から、代わりとなる治療法を検討したいとお考えなのではないでしょうか。

インプラントにはいくつかの代替治療法が存在し、それぞれに特徴があります。

本記事では、「インプラントに代わる治療法や種類、治療法を選ぶポイント」を紹介します。

インプラントに代わる治療法のメリット・デメリットまで紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。

インプラントに代わる治療法を選択するケースとは?

インプラントは失った歯を補う優れた治療法ですが、誰もが選択できるわけではありません。

たとえば、以下のような方はほかの治療を選択しなければならない場合もあります。

  • 顎の骨の量や厚みが足りない
  • 重度の歯周病を患っている
  • コントロール不良の全身疾患がある
  • 顎の骨がまだ成長している
  • 日々のセルフケアが難しい
  • 妊娠している
  • 喫煙習慣がある

また、インプラントは保険適用外のため費用負担が大きく、手術が怖いと感じる方や、持病で手術のリスクが高い方もいます。

インプラント以外の治療法を検討することは、特別なことではありません。

インプラントに代わる治療法の種類

インプラントに代わる治療法の種類は、以下のとおりです。

  • ブリッジ
  • 入れ歯(義歯)
  • 歯牙移植
  • 接着性ブリッジ
  • テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)

それぞれ解説します。

ブリッジ

ブリッジは、失った歯の両隣にある健康な歯を土台にし、橋をかけるように連結した人工歯を固定する治療法です。

土台の歯を削って、一体型の被せ物を装着します。

固定式のため取り外しの手間がなく、ご自身の歯に近い感覚でしっかり噛めるのが特徴です。

見た目も自然で、保険適用で作製できる場合も多く、機能性と審美性を両立しやすい治療法となります。

入れ歯(義歯)

入れ歯(義歯)は、取り外し可能な人工歯で、残っている歯や歯ぐきにバネなどで固定して使います。入れ歯(義歯)の種類は、以下の2つです。

  • 部分入れ歯
  • 総入れ歯

ひとつずつ解説します。

部分入れ歯

部分入れ歯は、ご自身の歯が1本でも残っている場合に適用される、最も一般的な入れ歯です。

残っている歯に「クラスプ」と呼ばれる金属のバネをかけて固定します。

取り外し式で清掃しやすく、修理や調整も比較的容易です。

ブリッジのように、健康な歯を大きく削る必要がない点もメリットとなります。

残っている歯を活かしながら、欠損部分を補うのが部分入れ歯です。

総入れ歯

総入れ歯は、全ての歯を失った場合に適用される、歯ぐき全体を覆うタイプの入れ歯です。

顎の粘膜に吸着させて安定させ、食事や会話といったお口の機能を取り戻します。

保険適用のものから、より薄く違和感の少ない自由診療のものまで種類はさまざまです。

広範囲の欠損に対応できるのが、総入れ歯の役割です。

歯牙移植

歯牙移植は、親知らずなど噛み合わせに関与していないご自身の歯を、歯が抜けた部分に移植する外科的な治療法です。

最大のメリットは、ご自身の組織を使うため拒絶反応がなく、「歯根膜」という組織の機能も活かせる点にあります。

自然な噛み心地を保ち、顎の骨が痩せるのを防ぎます。

ただし、移植に使える健康な歯が必要なため、誰でも受けられるわけではありません。

自身の歯を再利用する、先進的な治療法です。

接着性ブリッジ

接着性ブリッジは、両隣の歯を大きく削らず、歯の裏側などに接着剤で固定するブリッジで、主に前歯の欠損に適用されます。

主に、健康な歯へのダメージを最小限に抑えられるのが最大の利点です。

治療も短期間で終わり、費用も比較的安価ですが、強い力がかかると外れやすいデメリットもあります。

特定の条件下で、歯に優しい治療を実現するのが接着性ブリッジです。

テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)

テレスコープ義歯は、残っている歯に内冠を被せ、その上から入れ歯(外冠)をはめ込む

二重構造の特殊な入れ歯です。

茶筒の蓋のように精密にフィットするため、バネを使わずとも安定性が非常に高く、ガタつきがありません。

見た目も自然で、入れ歯だと気づかれにくいのが特徴です。

自由診療で費用は高額になりますが、優れた安定性と審美性を誇る高品質な入れ歯といえます。

インプラントに代わる治療法のメリット・デメリット

インプラントに代わる治療法のメリット・デメリットを、以下に紹介していきます。

  • ブリッジのメリット・デメリット
  • 入れ歯(義歯)のメリット・デメリット
  • 歯牙移植のメリット・デメリット
  • 接着性ブリッジのメリット・デメリット
  • テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)のメリット・デメリット

それぞれ解説します。

ブリッジのメリット・デメリット

ブリッジのメリットは、固定式で違和感が少なく、しっかり噛めることです。

一方のデメリットは、支えにするために両隣の健康な歯を削る必要がある点です。

一度削った歯は元に戻らず、将来的に歯の寿命を縮めるリスクも伴います。

利便性の裏にある、健康な歯への負担をよく考えることが大切です。

入れ歯(義歯)のメリット・デメリット

入れ歯のメリットは、保険適用で安価に作製でき、健康な歯をほとんど削らない点です。

デメリットは、装着時の違和感や、噛む力が天然歯より弱くなることです。

また、固定用の金属バネが見える場合もあります。

手軽に始められる反面、使用感に慣れが必要なことが多く、費用を抑えたい方にとっては有力な選択肢となります。

歯牙移植のメリット・デメリット

歯牙移植のメリットは、自身の歯を使うため、自然な噛み心地を維持できる点です。

デメリットは、移植に使える健康な親知らずなどが必要で、適用条件が厳しいことです。

外科手術が必要で、必ずしも歯が定着するとは限りません。

誰もが選択できる治療法ではありませんが、条件が合えば優れた結果が得られます。

接着性ブリッジのメリット・デメリット

接着性ブリッジのメリットは、健康な歯を削る量を最小限に抑えられることです。

デメリットは、従来のブリッジより外れやすく、適用できるケースが限られる点です。

主に噛む力が強くかからない前歯の1本欠損などが対象で、適応範囲が狭いことを理解しておく必要があります。

まさに、適材適所の治療法といえます。

テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)のメリット・デメリット

テレスコープ義歯のメリットは、入れ歯でありながら安定性が高く、見た目も自然なことです。

デメリットは、自由診療で費用が高額になり、対応できる歯科医院が少ない点です。

残っている歯を守りながら快適な使用感を得たい方には最適ですが、費用と品質のバランスをどう考えるかが選択のポイントになります。

インプラント治療のメリット

インプラントのメリットは、以下の4つです。

  • 天然歯に近い見た目と機能を取り戻せる
  • 周囲の健康な歯を削る必要がない
  • 顎の骨が痩せるのを防げる
  • 手入れがしやすく長く使い続けられる

ひとつずつ解説します。

天然歯に近い見た目と機能を取り戻せる

インプラントは、ご自身の歯と見分けがつかないほど自然な見た目を再現できます。

顎の骨に直接埋め込むため、歯ぐきから歯が生えているように見え、審美性に優れています。

機能面でも、ご自身の歯とほぼ同じ力でしっかり噛むことができ、食事を心から楽しむことが可能です。

見た目と機能の両方で、高いレベルの回復が期待できます。

周囲の健康な歯を削る必要がない

インプラントは、失った歯の部分だけで治療が完結する独立した治療法です。

ブリッジのように両隣の健康な歯を削る必要も、入れ歯のようにバネをかけて他の歯に負担をかけることもありません。

ほかの歯を犠牲にしない点は、インプラントの大きなメリットです。

つまり、残っているご自身の歯を最大限守れます。

顎の骨が痩せるのを防げる

インプラントは、天然の歯根と同様に、噛む力を直接顎の骨に伝えます。

歯が抜けたままの状態や、ブリッジ・入れ歯では骨に刺激が伝わらず、骨は痩せやすいです。

インプラントによって骨に適切な刺激が加わることで、骨の吸収を防ぐ効果が期待でき、長期的なお口周りの健康や若々しい顔の輪郭の維持にもつながります。

手入れがしやすく長く使い続けられる

インプラントは特別な手入れを必要とせず、自身の歯と同じように歯磨きができます。

入れ歯のように取り外して洗浄する手間はありません。

もちろん、歯周病予防のための丁寧なブラッシングと歯科医院での定期メンテナンスは不可欠です。

しかし、それを継続することで10年、20年と長期間安定して使用できる場合もあります。

自分に合った治療法を選ぶ際の7つのポイント

自分に合った治療法を選ぶ際のポイントは、以下の7つです。

  • 費用はどのくらいかかるか
  • 見た目は自然で美しいか
  • 食事や会話はしやすいか
  • 治療期間や身体への負担は少ないか
  • 周りの健康な歯に影響はないか
  • 長期間にわたって使い続けられるか
  • 日々のメンテナンスはしやすいか

それぞれ解説します。

費用はどのくらいかかるか

費用は治療を決めるうえで、重要なポイントです。

初期費用だけでなく、修理や再作成など将来的に必要となる維持費も考慮する必要があります。

治療が保険適用か自由診療かによって、自己負担額は大きく異なります。

自身の予算やライフプランに合わせて、長期的に見て無理のない治療法を選ぶのが大切です。

見た目は自然で美しいか

口元の見た目をどれだけ重視するかも、治療法選びのポイントです。

口を開けたときに金属が目立つか、被せ物の色が他の歯と自然に馴染むかなど、審美性をしっかり比較しましょう。

とくに人前に出ることが多い方にとっては、見た目は非常に重要な選択基準です。

どの程度の審美性を求めるかを事前に考えておくことで、後悔せずに選べるでしょう。

食事や会話はしやすいか

毎日の食事や会話をこれまで通り楽しめるかも、治療法選びで重要なポイントです。

硬いものもしっかり噛みたい、滑舌に影響を与えたくないなど、機能面での優先順位を決めましょう。

入れ歯のように慣れが必要な治療法もあれば、インプラントのように自然な感覚で使えるものもあります。

生活の質を維持するためにも、この点をしっかりと比較することが大切です。

治療期間や身体への負担は少ないか

治療が完了するまでの期間や、外科手術に対する抵抗感も考慮するべきポイントです。

ブリッジや入れ歯は比較的短期間で終了しますが、インプラントや歯牙移植は数ヶ月かかる場合があります。

手術による痛みや腫れなど、身体的な負担も重要な要素です。

仕事の都合や体力を考慮し、自分に無理のない治療計画を選ぶことが大切です。

周りの健康な歯に影響はないか

今残っている健康な歯をできるだけ傷つけずに長持ちさせることも重要なポイントです。

ブリッジは健康な歯を削る必要がありますが、入れ歯やインプラントは周囲の歯に対するダメージを最小限に抑えられます。

失った歯を補うだけでなく、お口全体の将来を考えた選択が大切です。

長期間にわたって使い続けられるか

治療法の平均的な寿命を理解し、一度の治療でどれくらいの期間使いたいかを考えることも重要です。

治療法によって耐久性や作り直しの頻度は異なります。

たとえば、保険適用の入れ歯は数年ごとに作り直しが必要なことが多い一方で、インプラントは適切にケアをすれば10年以上使用できることがほとんどです。

日々のメンテナンスはしやすいか

毎日の手入れにどれだけ手間をかけられるか、自分の生活スタイルに合った方法を選ぶことが大切です。

入れ歯は毎食後に取り外して洗浄が必要ですが、ブリッジやインプラントは自分の歯と同じように歯磨きでケアできます。

無理なく続けられるメンテナンス方法を選ぶことが、その治療法を長く維持するためのポイントです。

まとめ

インプラントに代わる治療法には、入れ歯やブリッジ、さらには新しい技術を活用した治療法などさまざまな選択肢があります。

それぞれの治療法には特徴があり、費用や見た目、機能性やメインテナンスのしやすさなど、生活スタイルに合った選び方が大切です。

久喜総合歯科では「毎週月曜日、水曜日、土曜日」に、インプラントを検討している方を対象とした無料相談会を実施しております。

また、インプラントをはじめ、入れ歯や審美歯科など、患者さんの状態に適したご提案・治療をおこなっております。

もしインプラントをはじめとした治療の費用負担をできるだけ軽減しながら、安心して治療を受けたい方はぜひお気軽にご相談ください。

久喜の歯医者|久喜総合歯科

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親知らず4本を同時に抜歯できる?抜歯するメリット・デメリットを紹介

「親知らず4本を同時に抜歯できる?」

「親知らず4本を抜歯するメリット・デメリットが知りたい」

「治療を受けた後の生活にどのような影響があるのか知りたい」

上記の疑問をお持ちの方は、親知らずが4本生えており、同時に抜歯ができるのかお悩みがあるのではないでしょうか。

親知らず4本を同時に抜歯できるかどうかは、個人の口腔内や健康状態で異なります。

本記事では、「親知らず4本を同時に抜歯できるのか、抜歯するメリット・デメリット」を紹介します。

親知らず4本を抜歯するための方法まで紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。

親知らず抜歯とは

親知らずとは、前から数えて「8番目の最後の歯」のことです。親知らずについて、以下に紹介していきます。

  • 親知らず4本を同時に抜歯できる?
  • 親知らずが4本生える人の割合について
  • 親知らず4本は抜いた方が良いのか

それぞれ解説します。

また、親知らず抜歯についての詳細は「親知らず抜歯」をご覧ください。

親知らず4本を同時に抜歯できる?

親知らず4本を同時に抜歯できるのか、以下のとおり紹介していきます。

  • 4本同時抜歯ができるケース
  • 4本同時抜歯が難しいケース

ひとつずつ解説します。

4本同時抜歯ができるケース

親知らず4本の同時抜歯は、条件が整えば可能です。

たとえば、親知らずが比較的まっすぐに生えている場合、抜歯のリスクは低いです。

そのため、患者さん自身が短期集中での治療を強く希望する点も重要な要素です。

ただし、全身の健康状態が良好である点は、手術の安全性を確保するうえで必須の条件です。

これらの条件を満たす場合に、同時抜歯という選択肢が現実的になります。

4本同時抜歯が難しいケース

親知らずは、4本の同時抜歯が難しいケースも存在します。

そのため、安全を最優先し、分割しての抜歯が推奨される場合もあります。

具体的には、親知らずが骨の中に深く埋まる、横向きに生えるといった状態は抜歯の難易度を高めやすいです。

また、高血圧や糖尿病などの持病を持つ人は、手術中のリスク管理がより重要です。

患者さんの身体的負担を考慮した判断が下されます。

親知らずが4本生える人の割合について

親知らずの本数には個人差があり、4本すべてが生えるのは珍しくありません。

親知らずの有無や本数は、遺伝的要因が大きいと考えられています。

また、現代人における親知らず(第三大臼歯)が4本とも存在する人の割合は「3〜4割程度」です。

生まれつき親知らずがない人、1〜3本だけ生える人もいるため、4本生えていても特別なことではありません。

親知らず4本を抜いた方が良いのか

親知らず4本を抜いた方が良いのか、以下のとおり紹介していきます。

  • 親知らず4本を抜いた方が良いケース
  • 親知らず4本を抜かなくても良いケース

それぞれ解説します。

親知らず4本を抜いた方が良いケース

親知らずが4本あっても、すべて抜く必要はありません。

抜歯の判断は、親知らずの生え方や周囲の歯・顎への影響で決まりやすいです。

もし痛みや腫れの症状がなくても、将来問題を起こすリスクがある場合は抜歯が推奨されます。

ただし、問題なく機能している親知らずは、無理に抜く必要はありません。

これらは、歯科医師による的確な診断が重要です。

親知らず4本を抜かなくても良いケース

親知らずを抜いた方が良いのは、放置すると問題が生じる場合です。

親知らずが原因で手前の歯が虫歯や歯周病になっている状態は、抜歯の対象です。

また、歯並びを乱す原因になっている場合も、抜歯が検討されます。

歯ブラシが届かず不衛生な状態は、口臭や炎症の原因です。

口腔内全体の健康を守るため、抜歯が最善の選択となる場合があります。

親知らず4本を同時に抜歯するメリット

親知らず4本を同時に抜歯するメリットは、以下の5つです。

  • 何度も歯医者に通う手間が省ける
  • 歯の悩みを短期間で一気に解消できる
  • 一番つらい“回復期間”を繰り返さずに済む
  • 「また抜歯か…」という精神的ストレスを繰り返さない
  • 結果的に治療費の節約につながる

それぞれ解説します。

何度も歯医者に通う手間が省ける

親知らずの同時抜歯は、通院の手間を大幅に削減できます。

たとえば、1本ずつの抜歯は複数回の通院が必要です。

カウンセリングや抜歯、消毒や抜糸を4本分繰り返した場合、合計で10回以上通院するケースもあります。

対して、4本同時抜歯は一連の手順が一度で完了するため、多忙で通院時間を確保できない人にはメリットです。

歯の悩みを短期間で一気に解消できる

4本同時抜歯は、親知らずに関する悩みを一挙に解決できます。

親知らずが原因の痛みや腫れ、口臭など複数の問題を抱える人も少なくありません。

不快な症状から一度の手術で解放されるため、治療後の回復期間を乗り越えることで、すっきりとした口腔環境が手に入ります。

長年の悩みを短期間で解消できる点は、大きな精神的メリットです。

一番つらい回復期間を繰り返さずに済む

抜歯後のつらい回復期間を一度で済ませられるのは、同時抜歯の利点です。

抜歯後の回復期間は痛みや腫れ、食事制限などを伴い、誰にとってもつらいものです。

たとえば、4本を別々に抜歯した場合、つらい期間を4回経験しますが、4本同時抜歯は回復期間が一度で済みます。

身体的、精神的につらい時期を一度で乗り越えられる点は、計り知れないメリットです。

「また抜歯か…」という精神的ストレスを繰り返さない

親知らずの4本同時抜歯は、抜歯への精神的ストレスを一度で終わらせられます。

多くの人は歯科治療、とくに抜歯に恐怖心を持っていますが、一度抜歯を経験すると「またあの痛みを…」という精神的ストレスを感じる場合もあります。

しかし、同時抜歯治療への不安や恐怖を何度も味わう必要はありません。

精神的負担を最小限に抑えたい人に有効な選択肢です。

結果的に治療費の節約につながる

親知らずの4本同時抜歯は、結果的に治療費の節約につながるケースがあります。

もし1本ずつ抜歯すると、都度、初診料や再診料が発生します。

しかし、費用を一度にまとめることで、複数回に分けて支払う総額よりも安くなる場合も多いです。

一度の支払額は高くなりますが、トータルコストで考えると経済的メリットがある点も知っておくと良いでしょう。

親知らず4本を同時に抜歯するデメリット

親知らず4本を同時に抜歯するデメリットは、以下の4つです。

  • 長時間の治療で身体への負担が大きい
  • 片側抜歯より腫れや痛みが強い
  • 両奥で噛めず食事が難しい
  • ドライソケットや神経麻痺のリスクがある

ひとつずつ解説します。

長時間の治療で身体への負担が大きい

親知らずの4本同時抜歯は、治療時間が長くなる傾向があります。

1本あたりの抜歯時間は短くても、4本分で合計1時間以上かかる場合があります。

長時間口を開け続ける行為は、顎や身体に大きな負担です。

とくに、体力に自信のない人や高齢者の場合、負担は無視できません。

そのため、治療中の身体的ストレスを考慮する必要があります。

片側抜歯より腫れや痛みが強い

4本同時抜歯は、片側ずつの抜歯より術後の腫れや痛みが強く出る傾向があります。

身体が受けるダメージが一度に集中し、炎症反応が大きく出やすいためです。

痛みや腫れのピークは術後2〜3日ですが、度合いが強くなる可能性があります。

日常生活への影響も大きくなるため、十分な安静期間の確保が不可欠です。

両奥で噛めず食事が難しい

親知らずの4本同時抜歯の最も現実的なデメリットは、食事の問題です。

左右両方の奥歯を同時に失うため、術後は固形物を噛むのが非常に困難です。

食事はおかゆ、ゼリー、スープなどが中心になり、数日間から1週間程度続く場合もあります。

栄養摂取の面、食事を楽しめない精神的ストレスも考慮すべき点です。

ドライソケットや神経麻痺のリスクがある

抜歯本数が増えると、偶発症のリスクが高まる可能性があります。

抜歯には、常に偶発症のリスクが伴います。

たとえば、「ドライソケット」や「下歯槽神経麻痺」が挙げられます。

ただし、発生頻度は低いものの、ゼロではありません。

リスクの可能性を理解したうえで、治療選択が必要です。

親知らず4本抜歯後の痛み・腫れのピークとダウンタイムの過ごし方

親知らず4本抜歯後の痛み・腫れのピークとダウンタイムの過ごし方を、紹介していきます。

  • 痛みと腫れのピーク
  • 痛みや腫れを和らげるセルフケア方法
  • ダウンタイム中の食事で気をつけること
  • 仕事や学校はいつから行けるのか
  • 運動・飲酒・入浴などの制限と再開の目安

それぞれ解説します。

痛みと腫れのピーク

抜歯後の痛みと腫れのピークは、一般的に手術後48〜72時間(2〜3日後)に現れやすいです。

麻酔が切れる術後数時間から痛み始め、徐々に強くなります。

ピークを過ぎると、痛みや腫れは少しずつ引いていきます。

ピークの時期の把握は、心の準備につながり、過度な不安を減らすことが可能です。

とくに、処方された痛み止めの適切な使用が重要です。

痛みや腫れを和らげるセルフケア方法

痛みや腫れを和らげるには、セルフケアが非常に重要です。

歯科医師から処方された痛み止めや抗生物質は、指示通りに必ず服用してください。

腫れや熱感がある場合は、濡れタオルや冷却シートで頬の外側から冷やすと楽になります。

冷やしすぎは血行を悪くし、治りを遅らせるため注意が必要です。

安静にして、身体を休めるのが回復への近道です。

ダウンタイム中の食事で気をつけること

抜歯後のダウンタイム中の食事には、細心の注意が必要です。

抜歯当日は、麻酔が完全に切れるまで食事を控えます。

傷口を刺激しないよう、おかゆ、ヨーグルト、ゼリー飲料など、噛まずに食べられるものを選ぶのが望ましいです。

香辛料などの刺激物、硬い食べ物は絶対に避けてください。

ストローの使用は傷口のかさぶたが剥がれる原因になるため、控えるようにしましょう。

仕事や学校はいつから行けるのか

仕事や学校への復帰時期は、抜歯後の状態や業務内容で異なります。

身体的負担が少ないデスクワークは、翌日から可能な場合もあります。

一般的には、痛みや腫れのピークである術後2〜3日間の安静が理想です。

もし接客業や体を使う仕事の場合は、少し長めに休みを取ると安心です。

無理をせず、自分の体調と相談して判断します。

運動・飲酒・入浴などの制限と再開の目安

親知らずの抜歯後は、血行が良くなる行為を避ける必要があります。

具体的には、運動や飲酒、長時間の入浴は血流を促進し、痛みや腫れを悪化させたり、再出血の原因になったりします。

術後2〜3日は控え、できれば1週間程度は避けるのが望ましいです。

シャワーは当日から可能ですが、患部周辺は温めないよう注意します。

親知らず4本を抜歯するための方法

親知らず4本を抜歯するための方法は、以下の2つです。

  • 静脈内鎮静法でうたた寝しながら乗り切る
  • 全身麻酔で完全に眠って終える

ひとつずつ解説します。

静脈内鎮静法でうたた寝しながら乗り切る

静脈内鎮静法は、点滴で鎮静薬を投与する麻酔方法です。

完全に意識を失うわけではなく、うたた寝に近い非常にリラックスした状態になります。

静脈内鎮静法には、健忘効果があり、治療中の不快な音や振動をほとんど覚えていません。

そのため「気づいたら治療が終わっていた」と感じる人が多いです。

とくに、歯科治療への恐怖心が強い人に最適な方法です。

全身麻酔で完全に眠って終える

全身麻酔は、完全に意識と感覚がなくなった状態で手術をおこなう方法です。

主に、大学病院や総合病院など入院設備が整った医療機関で実施されます。

抜歯への恐怖が極度に強い場合、とくに難しい症例の抜歯で選択されます。

患者さんは痛みや恐怖をまったく感じず、眠っている間にすべての治療が完了できます。

全身麻酔は、心身への負担が非常に少ない方法です。

親知らず4本抜歯の治療の流れ

親知らず4本抜歯の治療の流れを以下にまとめました。

  • STEP1:カウンセリングで相談し術前の検査を受ける
  • STEP2:治療計画と麻酔について最終確認する
  • STEP3:麻酔で痛みや恐怖を感じないようにする
  • STEP4:親知らず4本の抜歯をおこなう
  • STEP5:傷口を縫合し麻酔から覚めるまで休む
  • STEP6:薬を受け取り抜糸の予約をする

それぞれ解説します。

STEP1:カウンセリングで相談し術前の検査を受ける

最初のステップは、歯科医師とのカウンセリングです。

抜歯に関する不安や疑問、希望を詳しく伝えたうえで、レントゲンや歯科用CTで精密検査をおこないます。

CT検査は、親知らずの形、生えている方向、神経や血管との位置関係を3次元的に把握できます。

検査結果は、安全な治療計画を立てるための基礎です。

STEP2:治療計画と麻酔について最終確認する

検査結果をもとに、歯科医師が具体的な治療計画を立案します。

たとえば、抜歯の方法や手術に伴うリスク、麻酔方法について詳細な説明があります。

患者さんは説明を十分に理解、納得したうえで治療に同意します(インフォームド・コンセント)。

最終的な治療方針を決定する大切なステップのため、疑問点はすべて解消しておくのが重要です。

STEP3:麻酔で痛みや恐怖を感じないようにする

手術当日、まず麻酔をおこないます。

計画に沿って、局所麻酔や静脈内鎮静法を実施します。

麻酔が十分に効いているのを確認してから治療を開始するため、患者さんは手術中に痛みを感じません。

また、静脈内鎮静法を用いる場合は、リラックスした状態で恐怖心も和らぎます。

安心して手術を受けられる環境を整える段階です。

STEP4:親知らず4本の抜歯をおこなう

麻酔が効いたら、抜歯手術開始です。

口腔外科を専門とする歯科医師が、立案した治療計画通りに処置を進めます。

親知らずの状況に応じ、歯を分割したり、周囲の骨を少し削ったりします。

専門医が丁寧かつ迅速に手術をおこなうため、身体への負担を最小限に抑えやすいです。

親知らず抜歯における、手術の中心となる重要なプロセスです。

STEP5:傷口を縫合し麻酔から覚めるまで休む

4本の親知らずをすべて抜き終えたあと、傷口を縫い合わせます。

縫合は出血を止めて傷の治りを早める効果があり、その後ガーゼを噛んで止血します。

また、静脈内鎮静法や全身麻酔をおこなった場合は、麻酔が覚めるまでリカバリールームなどで安静にして休みましょう。

スタッフが付き添い、安全に配慮しながら回復を待ちます。

STEP6:薬を受け取り抜糸の予約をする

麻酔から覚め、体調が安定したら帰宅の準備をします。

痛み止めや抗生物質などの薬が処方され、服用方法や術後の注意点の説明を受けます。

その際、次回の来院予約もおこないますが、抜糸は術後1週間から10日後が目安です。

これで、治療当日の全プロセスが完了します。

親知らず4本抜歯にかかる費用相場

親知らず4本抜歯にかかる費用相場を、以下のとおり紹介していきます。

  • 保険診療(3割負担)の場合の費用
  • 自由診療(静脈内鎮静法など)の場合の費用
  • 抜歯以外に必要な費用(検査料・薬代など)
  • 高額療養費制度と医療費控除について

ひとつずつ解説します。

保険診療(3割負担)の場合の費用

保険診療の費用は、親知らずの生え方で決まります。

まっすぐ生えている単純な抜歯は、1本あたり「1,500円〜5,000円程度」です。

また、骨に埋まっている難症例は、1本あたり「7,000円〜15,000円程度」かかります。

もし4本すべてが難症例だと、「6,000円〜20,000円前後」程度が目安です。

これらは、3割負担の場合の概算です。

自由診療(静脈内鎮静法など)の場合の費用

静脈内鎮静法などの特別な麻酔は、基本的に保険適用外の自由診療です。

費用は医療機関で異なりますが、「50,000円〜100,000円程度」が相場です。

抜歯費用(保険適用)に、自由診療費が上乗せされます。

治療の総額は高くなりますが、安心して治療を受けられる大きなメリットがあります。

抜歯以外に必要な費用(検査料・薬代など)

親知らず抜歯の費用以外にも、いくつかの費用が必要です。

たとえば、初診時には初診料、再診時には再診料がかかります。

また、レントゲンや歯科用CTなどの画像検査にも、費用が発生します。

さらに、術後に処方される痛み止めや抗生物質の薬代も別途必要です。

合計の費用を合わせると、総額はさらに「数千円〜1万円程度」上乗せされます。

高額療養費制度と医療費控除について

医療費の負担を軽減する公的制度があります。

具体的に「高額療養費制度」は、1カ月の医療費自己負担額が上限を超えた場合に、超過分が払い戻される制度です。

また「医療費控除」は、年間の医療費が10万円を超えた場合に、確定申告で所得税が還付される制度です。

これらの制度をうまく活用すると、経済的な負担を軽くできます。

親知らず4本同時抜歯後の注意点

親知らず4本同時抜歯後の注意点は、以下の4つです。

  • 強い痛みや腫れが引かない場合
  • 激しい痛みが続くドライソケットが疑われる場合
  • 唇や顎の感覚が鈍い神経麻痺が残る場合
  • すぐに病院へ連絡・受診すべき症状とは

それぞれ解説します。

強い痛みや腫れが引かない場合

親知らず抜歯後の痛みや腫れは、通常2〜3日をピークに徐々に落ち着きます。

しかし、1週間以上経っても痛みが引かない、または悪化する場合は注意が必要です。

たとえば、抜歯した傷口が細菌に感染している可能性があります。

痛みや腫れは我慢せず、手術を受けた歯科医院に速やかに連絡し、指示を仰いでください

激しい痛みが続くドライソケットが疑われる場合

親知らず抜歯後2〜3日経ち、耐え難いほどの激しい痛みが出てきたら「ドライソケット」かもしれません。

ドライソケットは、抜歯した穴の血餅(かさぶた)が剥がれ、骨が露出して起こります。

自然治癒は難しく、歯科医院での専門的な処置が必要です。

もし強い痛みが続く場合は、ためらわずに受診してください。

唇や顎の感覚が鈍い神経麻痺が残る場合

親知らず抜歯後、麻酔が切れても唇、顎、舌の感覚が鈍いままの場合、神経麻痺の可能性があります。

親知らずの根が、顎のなかの太い神経(下歯槽神経)に近接している場合に起こりやすい偶発症です。

多くは一時的ですが、回復には時間がかかる場合もあります。

症状が続く場合はすぐに医師に相談し、適切な治療を受けるのが大切です。

すぐに病院へ連絡・受診すべき症状とは

すぐに病院へ連絡・受診すべき症状は、以下のとおりです。

  • 38度以上の高熱が続く
  • 出血が全く止まらない
  • 呼吸がしづらい
  • 飲み込みができない

重篤な感染症やアレルギー反応の可能性があるため、緊急を要するサインです。

もし症状が現れた場合は、我慢せず、夜間や休日でも救急外来などを受診しましょう。

親知らず4本抜歯で後悔しないための歯科医院・病院の選び方

親知らず4本抜歯で後悔しないための歯科医院・病院の選び方は、以下の5つです。

  • 口腔外科の専門知識と経験が豊富である
  • 安全な抜歯に不可欠な歯科用CTを完備している
  • 希望する麻酔方法(静脈内鎮静法など)に対応している
  • メリットだけでなくリスクも丁寧に説明してくれる
  • 大学病院と一般歯科それぞれの違いを理解する

ひとつずつ解説します。

口腔外科の専門知識と経験が豊富である

親知らずの抜歯は、専門性の高い外科手術です。

そのため、骨に埋まっている難症例の抜歯は、高度な技術と知識を求められます。

日本口腔外科学会が認定する「口腔外科専門医」や「指導医」の資格を持つ医師の在籍は、ひとつの大きな指標です。

歯科医院の公式サイトやSNSなどで医師の経歴や実績を確認し、経験豊富な専門医を選ぶと安心です。

安全な抜歯に不可欠な歯科用CTを完備している

安全な抜歯をおこなううえで、歯科用CTの存在は不可欠です。

歯科用CTは、従来のレントゲンでは分からなかった神経や血管の位置を3次元的に正確に把握できます。

結果的に、手術中の神経損傷などのリスクを大幅に低減できます。

歯科用CT設備の完備は、医院が精密な診断と安全性を重視している証拠です。

希望する麻酔方法(静脈内鎮静法など)に対応している

親知らず4本同時抜歯のような身体的・精神的負担の大きい治療では、麻酔方法の選択肢が重要です。

とくに治療への恐怖心が強い人にとって、静脈内鎮静法は有効な選択肢です。

ただし、希望する麻酔方法に対応しているか、事前に確認する必要があります。

患者さんの不安に寄り添い、多様な選択肢を提供する医院を選びましょう。

メリットだけでなくリスクも丁寧に説明してくれる

信頼できる医師は、治療の良い面だけでなく、潜在的なリスクやデメリットも隠さず丁寧に説明してくれます。

具体的には、抜歯に伴う偶発症の可能性、術後の経過を具体的に話してくれるかが重要です。

患者さんが全情報を理解し、納得して治療法を選択する「インフォームド・コンセント」を大切にする姿勢を見極めましょう。

大学病院と一般歯科それぞれの違いを理解する

医療機関にはそれぞれ特徴があり、大学病院や総合病院などは、難症例や全身麻酔に対応できる設備と人員が整っています。

しかし、紹介状が必要、待ち時間が長いといった場合もあります。

一般の歯科医院は通いやすさ、相談のしやすさが利点ですが、対応できる症例に限りがある場合もあります。

自身の親知らずの状態に合わせ、最適な医療機関を選ぶのが大切です。

まとめ

親知らず4本の同時抜歯は、治療期間を短縮できるメリットがある一方、身体への負担が大きいデメリットも存在します。

ただし、親知らず4本を同時に抜歯できるかどうかは、個人の口腔内や健康状態で異なります。

また最終的には、歯科医院を受診しメリットとデメリットを十分に理解したうえで、慎重に判断が必要です。

久喜総合歯科では、親知らず抜歯をはじめ、インプラントや入れ歯、審美歯科など患者さんの状態に適したご提案・治療をおこなっております。

もし痛みや不安をできるだけ軽減しながら、安心して親知らずを抜歯したい方はぜひお気軽にご相談ください。

久喜の歯医者|久喜総合歯科

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インプラントを奥歯2本治療する際の費用は?歯科医院の選び方まで紹介

「インプラントを奥歯2本治療する際の費用は?」

「インプラントとほかの治療法との違いを知りたい」

「インプラント治療にかかる期間が知りたい」

インプラントは自由診療で保険適用外となるため、2本治療するとなると高額になるのではないかと不安に感じている方もいるのではないでしょうか。

また、費用と合わせて、インプラントを奥歯2本治療する際の治療期間もかかるのではないかと心配になっている方もいるでしょう。

本記事では、「インプラントを奥歯2本治療する際の費用相場や治療期間、歯科医院の選び方」を紹介します。

インプラントを奥歯2本治療する場合のメリットまで紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。

インプラントを奥歯2本治療する際の費用相場

奥歯2本のインプラント治療にかかる費用相場は、「60万円〜100万円程度」が目安です。

インプラント治療は自由診療であり、治療にかかるすべての費用が自己負担となるため、高額になりやすいです。

具体的な内訳には、以下のような項目が含まれています。

  • 術前の精密検査や診断料
  • インプラント本体の費用
  • 外科手術の費用
  • 人工歯(上部構造)の費用
  • 骨造成などの追加処置(顎の骨が不足している場合)

歯科医院から提示された総額だけでなく、詳細な内訳や追加費用の可能性までしっかりと確認し、納得したうえで治療に進むのが重要です。

インプラントを奥歯2本治療する際の治療期間

インプラント治療が完了するまでの期間は、一般的に「6カ月〜1年程度」を見込む必要があります。

インプラント手術で埋め込んだインプラントと顎の骨がしっかりと結合する「オッセオインテグレーション」という治癒期間が、治療の成功に不可欠です。

また、治療は精密検査から始まり、インプラント埋入手術や数ヶ月間の治癒期間を経て、最後に人工歯を装着するというステップで進みます。

この期間は、お口の状態や骨の硬さ、治癒力によって個人差が生じます。

自分の歯のように噛めるようになるまでには一定の時間を要することを理解し、計画的に治療を受けることが大切です。

インプラントを奥歯2本治療する場合のメリット

インプラントを奥歯2本治療する場合のメリットは、以下のとおりです。

  • 天然の歯のようにしっかり噛める
  • 周りの健康な歯を守れる
  • 噛み合わせ全体の崩壊を防止できる
  • 顎の骨が痩せるのを防げる
  • 自然な見た目を実現できる
  • お手入れがしやすい
  • 入れ歯のような違和感やズレがない

それぞれ解説します。

天然の歯のようにしっかり噛める

インプラント治療をおこなうと、天然の歯とほとんど変わらない感覚で、しっかりと物を噛めるようになります。

顎の骨に直接インプラントを固定するため、入れ歯のようにズレたり、ブリッジのように他の歯に負担をかけたりすることがありません。

たとえば、硬いおせんべいや、繊維質の多いステーキなども気にせず楽しめます。

また、噛む機能が回復すると、消化を助け、栄養の吸収効率も上がるため、全身の健康維持にもつながります。

周りの健康な歯を守れる

インプラントは、隣接する健康な歯を削ることなく治療できるため、自身の歯を最大限守れます。

ブリッジ治療の場合、失った歯の両隣にある健康な歯を土台として削る必要がありますが、一度削った歯は寿命が短くなるリスクをともないやすいです。

しかし、インプラントは、歯を失った部分に単独で埋入する治療法のため、ほかの歯に負担をかけません。

結果的に、健康な歯を犠牲にすることなく、失った歯の機能を回復させられます。

噛み合わせ全体の崩壊を防止できる

失った奥歯を放置すると、全体の噛み合わせが崩れるリスクもありますが、インプラントはその崩壊を防ぐ役割を果たします。

歯がない空間に、隣の歯が倒れ込んできたり、向かい合う歯が伸びてきたりすることで、全体の歯並びや噛み合わせは徐々に乱れていきやすいです。

もしこの状態が続くと、特定の歯に過度な負担がかかったり、顎関節症を引き起こしたりする原因にもなりかねません。

インプラントで失った部分を補うことで、すべての歯が正しい位置に留まり、口腔内全体のバランスを維持できます。

お口全体の将来的な健康を守るうえでも、インプラントは有効な選択肢となります。

顎の骨が痩せるのを防げる

インプラントは、顎の骨が痩せてしまうのを防ぐ効果が期待できる治療法です。

歯がなくなると、歯根から骨に伝わっていた「噛む刺激」がなくなるため、骨は役目を終えたと判断し、時間と共に徐々に痩せてしまいます。

入れ歯やブリッジでは骨の吸収を防げませんが、インプラントは天然歯の根のように骨に直接刺激を伝えられます。

この刺激によって骨の代謝が促され、その健康的なボリュームを維持しやすいです。

また、顎の骨の健康を保つことは、他の歯の土台を守るだけでなく、若々しいお顔の輪郭を維持することにもつながります。

自然な見た目を実現できる

インプラント治療では、自然で美しい見た目を手に入れられます。

人工歯の素材に、天然歯の色や透明感を忠実に再現できるセラミックなどを選ぶことで、どれが治療した歯か見分けがつかないほどの仕上がりになります。

とくに奥歯でも、笑った時や会話中に意外と見える部分のため、見た目の美しさは重要です。

また、入れ歯の金属のバネが見えたり、ブリッジと歯茎の間に隙間ができたりする心配もありません。

自信を持って大きく口を開けて笑えるようになるため、精神的にもプラスとなります。

お手入れがしやすい

インプラントは、日々のメインテナンスができる点も大きなメリットです。

取り外し式の入れ歯のように、毎食後に外して洗浄したり、専用の洗浄剤に浸けたりといった特別な手間はかかりません。

自分のほかの歯と同じように、毎日の歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスを使って丁寧に磨くだけで清掃が可能です。

ただし、インプラント周囲炎を防ぐための定期的な歯科医院でのプロフェッショナルケアは不可欠です。

日常のお手入れは格段にシンプルになるため、この手軽さが、治療後も長く快適に使い続けられるポイントのひとつです。

入れ歯のような違和感やズレがない

インプラントは顎の骨にしっかりと固定されるため、入れ歯特有の違和感やズレ、痛みといったストレスから解放されやすいです。

入れ歯の場合、食事中にズレて硬いものが噛めなかったり、会話中に発音しにくかったり、粘膜を覆うことで食べ物の味や温度を感じにくくなったりする場合もあります。

しかし、インプラントは、自分の歯と同じように顎の骨から直接支えられているため、このような不快感がありません。

自分の歯が蘇ったかのような一体感と快適さは、インプラント治療だからこそ得られるメリットです。

インプラントと入れ歯の違い

奥歯2本を失った場合、主な選択肢として「インプラント」と「部分入れ歯」が挙げられますが、両者には明確な違いがあります。

インプラントは外科手術が必要で費用も高額ですが、自分の歯のように噛めて見た目も自然で、周りの歯を守れる点がメリットです。

一方、入れ歯は手術が不要で保険適用のものなら安価に作れますが、違和感やズレが生じやすく、硬いものが噛みにくい、バネをかける歯に負担がかかるなどのデメリットがあります。

どちらの治療法が自分に合っているかを判断するためには、機能性や審美性、費用や将来的な健康への影響など、多角的な視点から比較検討することが不可欠です。

インプラントを奥歯2本治療する際の歯科医院の選び方

インプラントを奥歯2本治療する際の歯科医院の選び方は、以下の5つです。

  • インプラントを奥歯2本治療する際の歯科医院の選び方
  • 専門的な学会に所属・資格保持をしているか
  • 安全な治療のための最新設備が整っているか
  • リスクやデメリットも丁寧に説明してくれるか
  • インプラント以外の治療法も提案してくれるか
  • 治療後のフォロー体制が整っているか

ひとつずつ解説します。

専門的な学会に所属・資格保持をしているか

歯科医師の技術力を客観的に判断する指標として、専門学会の所属や資格の有無は重要なチェックポイントです。

とくに「公益社団法人 日本口腔インプラント学会」などが認定する「専門医」や「指導医」の資格は、厳しい基準をクリアした豊富な知識と経験の証となります。

資格を持つ医師は、インプラント治療に関する最新の知見を常に学び続けているため、より安全で質の高い治療が期待できます。

歯科医院のWebサイトや院内の掲示などで、歯科医師の経歴や資格情報を必ず確認しておくのが大切です。

安全な治療のための最新設備が整っているか

安全で正確なインプラント治療をおこなうためには、歯科用CTなどの最新設備が不可欠です。

従来のレントゲンが二次元的な平面画像なのに対し、歯科用CTは顎の骨の厚みや硬さ、神経や血管の位置を三次元の立体画像で詳細に把握できます。

手術前にインプラントを埋め込む最適な位置や角度をシミュレーションでき、手術中のトラブルを未然に防止できます。

CT設備を持たずに勘や経験だけに頼る治療はリスクが高いため、安全性を最優先したい方はCTを完備した医院を選択しましょう。

リスクやデメリットも丁寧に説明してくれるか

本当に信頼できる歯科医師は、インプラント治療のメリットだけでなく、潜在的なリスクやデメリットについても時間をかけて丁寧に説明してくれます。

たとえば「手術には痛みがともなう可能性がある」「稀に神経麻痺のリスクがある」「治療後のメインテナンスを怠ると歯周病になる」といったネガティブな情報も包み隠さず話してくれる姿勢は、患者への誠実さの表れです。

そのため、良いことばかりを強調し、契約を急がせるような医院は注意が必要でしょう。

患者がすべての情報を理解し、納得したうえで治療を選択できるようなインフォームド・コンセントを徹底している歯科医院を選びましょう。

インプラント以外の治療法も提案してくれるか

インプラント治療を希望していても、ほかの選択肢も公平に提示してくれる歯科医院は信頼できます。

一人ひとりのお口の状態やライフスタイル、価値観や予算などによっては、ブリッジや入れ歯の方が適しているケースも考えられます。

そのため、それぞれの治療法のメリット・デメリットを客観的に説明し、患者自身が最適な選択をできるよう歯科医師がサポートしてくれるかどうかをしっかり確認しましょう。

治療後のフォロー体制が整っているか

インプラントは、治療が終わればそれで完了ではなく、その後の長期的なメインテナンスが重要です。

インプラントを長持ちさせるためには、日々のセルフケアに加え、歯科医院での定期的なプロのチェックとクリーニングが欠かせません。

そのため、治療後の保証制度が充実しているか、定期検診の案内をしっかりおこなってくれるかなど、アフターフォロー体制を確認するのが大切です。

万が一のトラブルにも迅速に対応してくれる、長いお付き合いのできる医院の選択が、将来の安心につながります。

まとめ

奥歯2本のインプラント治療にかかる費用相場は、「60万円〜100万円程度」が目安です。

ただし、検討している歯科医院へ詳細な内訳や追加費用の可能性までしっかりと確認し、納得したうえで治療に進むのが重要です。

久喜総合歯科では「毎週月曜日、水曜日、土曜日」に、インプラントを検討している方を対象とした無料相談会を実施しております。

また、インプラントをはじめ、入れ歯や審美歯科など、患者さんの状態に適したご提案・治療をおこなっております。

もし費用負担をできるだけ軽減しながら、安心してインプラント治療を受けたい方はぜひお気軽にご相談ください。

久喜の歯医者|久喜総合歯科

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インプラントとは?ほかの治療法との違いまでわかりやすく解説

「インプラントとは?わかりやすく解説して欲しい」

「インプラントのメリットが知りたい」

「インプラント治療が受けられる人が知りたい」

失ってしまった歯を取り戻すための選択肢として、「インプラント」という言葉を耳にする機会が増えたのではないでしょうか。

しかし、インプラントは具体的にどのような治療法で、入れ歯やブリッジとは何が違うのか、詳しくご存じない方も少なくありせん。

本記事では、「インプラントとは何か、ほかの治療法との違い」を紹介します。

インプラント治療の一般的な流れまで紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。

インプラントとは

インプラント治療とは、歯を失った部分の顎の骨に人工の歯根を埋め込み、その上に人工の歯を装着して、噛む機能と見た目を回復させる方法です。次に、以下について紹介していきます。

  • インプラントの構造
  • インプラント以外の治療法(ブリッジ・入れ歯)との違い

それぞれ解説します。

インプラントの構造

インプラントの構造は、以下のとおりです。

  • インプラント体(フィクスチャー)
  • アバットメント
  • 上部構造(人工歯)

ひとつずつ解説します。

インプラント体(フィクスチャー)

インプラント体は、顎の骨に直接埋め込まれる「歯の根」の役割を担う、治療の土台となるパーツです。

チタンで作られたこのネジのような形をしたインプラント体が、顎の骨としっかりと結合(オッセオインテグレーション)することで、上部に取り付ける人工歯を強固に支えます。

この土台が安定していることで、天然の歯のように力強く噛むことが可能となります。

アバットメント

アバットメントは、骨の中に埋まっているインプラント体と、外から見える人工歯(上部構造)とを連結させるための重要なパーツです。

インプラント体が歯の根だとしたら、アバットメントは歯の土台部分にあたります。

この連結部分があることで、インプラント体と上部構造を確実に固定し、噛む力を効率的に伝えられます。

上部構造(人工歯)

上部構造とは、一般的に「歯」として認識される部分で、口を開けたときに見える人工の歯冠です。

素材には、天然の歯の色や透明感を忠実に再現できるセラミックなどが用いられるため、自分の歯と見分けがつかないほど自然な仕上がりを実現できます。

見た目の美しさはもちろん、噛み合わせや強度も考慮して精密に作製されます。

インプラント以外の治療法(ブリッジ・入れ歯)との違い

歯を失った際の治療法は、インプラントだけではありません。

たとえば「ブリッジ」や「入れ歯」も一般的な選択肢ですが、それぞれに違いがあります。

インプラントが独立して機能するのに対し、ブリッジは両隣の健康な歯を削って土台にし、入れ歯はバネを他の歯に引っ掛けて固定します。

審美性や噛む力、周囲の歯への影響や費用、メンテナンス性など、比較すべき点は多岐にわたります。

自身のライフスタイルや価値観に合った最適な治療法を選ぶためには、歯科医師と相談のうえ、これらの違いを正しく理解することが大切です。

インプラント治療が受けられる人

インプラント治療を受けるには、インプラントを支えるのに十分な顎の骨の量と厚みがあることが基本的な条件となります。

また、重度の歯周病や、コントロールされていない糖尿病などの全身疾患があると、治療が難しい場合があります。

しかし、最終的な判断は精密検査の結果にもとづいて歯科医師がおこなうため、まずは一度専門医に相談してみるのが重要です。

インプラントのメリット

インプラントのメリットは、以下の6つです。

  • 審美性が優れている
  • 食生活の質が向上する
  • 周囲の歯への負担がない
  • 骨の吸収を防げる
  • 快適な装着感を得られる
  • 寿命が長い

それぞれ解説します。

審美性が優れている

インプラントは、まるで自分の歯が蘇ったかのような、自然で美しい見た目を手に入れられます。

入れ歯のように金属のバネが見えたり、ブリッジのように連結部分に不自然さが出たりすることがありません。

上部構造(人工歯)は、周りの歯の色や形に合わせて精密に作られるため、口元のコンプレックスを解消し、自信を持って笑えるようになります。

機能面だけでなく、見た目の美しさを重視する方にとって、インプラントは満足度の高い選択肢です。

食生活の質が向上する

インプラントにすると、自分の歯とほぼ同じ力でしっかりと噛めるようになり、食生活の質も向上できます。

インプラントが顎の骨に直接固定されているため、ズレたり外れたりする心配がありません。

入れ歯では食べにくかった硬いおせんべいや、繊維質の多いステーキなども、気にすることなく楽しめます。

食事を心から楽しむことは、日々の生活に大きな喜びと健康をもたらしてくれます。

周囲の歯への負担がない

インプラントは、失った歯の部分だけで完結する独立した治療法のため、周囲の健康な歯に負担をかけずに治療できます。

ブリッジ治療では、橋を架けるために両隣の健康な歯を大きく削る必要がありますが、インプラントの場合はその必要がありません。

歯は一度削ると、もとには戻らないため、健康な歯を犠牲にすることなく治療できるのは、長期的に見てお口全体の健康を守るうえでも重要です。

骨の吸収を防げる

歯を失った部分の顎の骨は、噛むことによる刺激がなくなることで、時間とともに痩せやすいです。

しかし、インプラントは顎の骨に直接埋め込まれるため、噛む力を骨に自然に伝えられます。

この刺激によって骨の吸収が抑制され、健康な状態を維持しやすくなります。

この骨を守る効果は、ほかの治療法である入れ歯やブリッジにはない、インプラント特有の優れたメリットになります。

快適な装着感を得られる

インプラントは、入れ歯のようなズレやガタつき、異物感がなく、快適な装着感を得られます。

顎の骨と一体化しているため、食事中や会話中に外れてしまう心配もありません。

インプラントを入れていることを忘れてしまうほど、自分の体の一部のように自然に感じられます。

寿命が長い

インプラントは、適切なメンテナンスを続けることで、長期的に機能できる治療法です。

平均寿命は「10年以上」のため、その耐久性の高さが評価されています。

ただし、日々の丁寧な歯磨きと、歯科医院での定期的なプロのケアが不可欠ですが、結果的に経済的な選択になる場合もあります。

インプラントのデメリット

インプラントのデメリットは、以下の4つです。

  • 外科手術が必要である
  • 治療期間が長い
  • 自由診療のため費用が高額である
  • 顎の骨の状態に左右される

ひとつずつ解説します。

外科手術が必要である

インプラント治療には、歯茎を切開して顎の骨にインプラント体を埋め込むための外科手術がともないます。

手術と聞くと不安に感じるかもしれませんが、通常は局所麻酔を使用するため、手術中に痛みを感じることはほとんどありません。

手術時間も、埋入する本数や骨の状態によりますが、比較的短時間で終わるケースが多いです。

手術を過度に恐れる必要はありませんが、外科的な処置が必要であることは理解しておきましょう。

治療期間が長い

インプラント治療は、ほかの治療法に比べて全体の期間が長くなる傾向があります。

埋め込んだインプラント体が顎の骨としっかりと結合するためには、数ヶ月の治癒期間が必要です。

一般的には、カウンセリングから最終的な人工歯が入るまで、「6カ月〜1年程度」が目安となります。

すぐに歯を入れたい方にとってはデメリットに感じられるかもしれませんが、この待つ期間が、長期的な安定性を生むためには不可欠です。

自由診療のため費用が高額である

インプラント治療は、公的医療保険が適用されない「自由診療」となるため、費用は全額自己負担となり高額です。

費用は、使用するインプラントの種類や本数、歯科医院によって異なりますが、ほかの治療法であるブリッジや入れ歯に比べて大きな初期投資が必要となります。

ただし、確定申告で医療費控除を申請すれば、税金の還付を受けられる場合もあります。

そのため、治療を検討する際は、事前に費用についてもしっかりと確認しておくのが大切です。

顎の骨の状態に左右される

インプラントは治療が終われば安心というわけではなく、その良好な状態を長く保つためには、治療後の定期的なメインテナンスが不可欠です。

毎日の丁寧なセルフケアに加え、数ヶ月に一度は歯科医院で専門的なクリーニングやチェックを受ける必要があります。

もし怠ると、インプラントの歯周病とも言われる「インプラント周囲炎」になり、最悪の場合インプラントが抜け落ちてしまうリスクがあります。

インプラントを長持ちさせるためには、このメインテナンスが重要です。

H2インプラント治療の一般的な流れ

インプラント治療の一般的な流れは、以下のとおりです。

  • カウンセリング・精密検査
  • 一次手術
  • 二次手術(2回法の場合)
  • 型取り・上部構造の製作
  • 上部構造の装着
  • メインテナンス

しかし、実際の治療の流れは歯科医院ごとに異なるため、各歯科医院へお問い合わせください。

まとめ

インプラント治療とは、歯を失った部分の顎の骨に人工の歯根を埋め込み、その上に人工の歯を装着して、噛む機能と見た目を回復させる方法です。

自然な見た目や咀嚼力の向上、周囲の歯への負担がないことなどメリットも豊富な治療法となります。

久喜総合歯科では「毎週月曜日、水曜日、土曜日」に、インプラントを検討している方を対象とした無料相談会を実施しております。

また、インプラントをはじめ、入れ歯や審美歯科など、患者さんの状態に適したご提案・治療をおこなっております。

もし自身に最適な治療法をお探しの方や、安心してインプラント治療を受けたい方はぜひお気軽にご相談ください。

久喜の歯医者|久喜総合歯科

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インプラント手術は痛くない?治療時と治療後の痛みの程度を解説

「インプラント手術は痛くない?」

「インプラント治療時と治療後の痛みはどのくらい?」

「インプラント治療の痛みを抑え方が知りたい」

インプラント治療を検討する際、「手術は痛くないだろうか?」といった不安もあるのではないでしょうか。

大切な歯を補うための優れた治療法だと分かっていても、痛みへの恐怖から一歩踏み出せない方も少なくありません。

本記事では、「インプラント手術の痛みについて、治療時と治療後の痛みの程度」を紹介します。

インプラント治療後の痛みを抑える方法まで紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。

インプラント手術は痛くない?

適切な麻酔処置により、インプラント手術中に強い痛みを感じるケースはほとんどありません。

インプラント治療では、局所麻酔や希望に応じて「静脈内鎮静法」など、痛みを感じさせないための方法が確立されています。

手術後の痛みも、処方薬で十分コントロールが可能です。

インプラント手術の痛みが不安な方におすすめの静脈内鎮静法

インプラント手術への恐怖心や不安感が強い方には、「静脈内鎮静法」の選択肢があります。

点滴によって鎮静薬を投与し、ウトウトとリラックスした状態で手術を受けられる方法です。

そのため、歯科恐怖症の方や嘔吐反射が強い方、長時間の治療になる方にとって、心身の負担を大幅に軽減できる有効な手段となります。

インプラント手術の痛みとは

インプラント手術の痛みについて、以下に紹介します。

  • 手術中の痛み
  • 手術後の痛み

それぞれ解説します。

手術中の痛み

手術中の主な痛みは、以下の2つです。

  • 麻酔注射の痛み
  • 麻酔が不十分な場合

ひとつずつ解説します。

麻酔注射の痛み

インプラント手術中に感じる痛みは、基本的に最初の「麻酔注射」のチクッとした痛みだけです。

手術が始まると、局所麻酔がしっかりと効いているため、歯茎の切開や骨を削る痛みを感じません。

さらに、歯科医院では注射前に歯茎に塗るタイプの「表面麻酔」を使用し、注射針が刺さる感覚すら最小限に抑える工夫をしています。

そのため、手術が始まってからの痛みについては、過度に心配する必要がなくなります。

麻酔が不十分な場合

麻酔は、体質などによって効きが浅かったり、効果が切れかかっていたりする場合もあります。

その場合、手術中に痛みを感じる場合もあり、決して我慢せずすぐに歯科医師に伝えるのが重要です。

手を挙げるなどの合図をすれば、歯科医師はすぐに処置を中断し、麻酔の量を追加するなどの適切な対応を取ってくれます。

安心して治療を受けるためにも、痛みを感じた際は遠慮なく意思表示をするのが大切です。

手術後の痛み

手術後の主な痛みは、以下のとおりです。

  • 歯茎の切開・縫合による痛み
  • 骨を削ったことによる痛み
  • 腫れによる痛み

それぞれ解説します。

歯茎の切開・縫合による痛み

インプラント手術後の痛みの主な原因は、歯茎を切開し、縫合したことによる傷口の痛みです。

外科的な処置である以上避けることはできません。

しかし、処方される鎮痛剤を服用することで、日常生活に大きな支障が出ないレベルに抑えられます。

骨を削ったことによる痛み

インプラント治療で「骨を削る」と聞くと強い痛みを想像しがちですが、顎の骨自体には痛覚がないため、削ることによる直接的な痛みはありません。

手術後の痛みは、骨そのものではなく、骨を覆っている「骨膜」や周辺の歯茎の組織が刺激されると生じます。

ただし、手術による正常な治癒反応の一部であり、処方された痛み止めで十分に管理できる範囲となります。

腫れによる痛み

インプラント手術後の腫れが、内部から組織を圧迫することで痛みを引き起こす場合もあります。

腫れは、身体が傷を治そうとしている証拠であり、一般的に手術後2〜3日目がピークとされています。

ピークを過ぎれば徐々に引いていきますが、濡れタオルなどで頬側から優しく冷やすことで、腫れと痛みの軽減が可能です。

インプラント治療完了後の痛みの原因

インプラント治療完了後の痛みの原因は、以下の3つです。

  • インプラント周囲炎
  • 噛み合わせの問題
  • 神経への圧迫・損傷

ひとつずつ解説します。

インプラント周囲炎

インプラント治療完了後の痛みの原因として、「インプラント周囲炎」が考えられます。

インプラントの周りの組織が歯周病菌に感染して炎症を起こす病気で、進行するとインプラントを支える骨が溶けてしまいます。

しかし、初期段階では自覚症状がほとんどありません。

そのため、痛みが出たときにはかなり進行しているケースもあり、日々の丁寧な歯磨きと歯科医院での定期的なメインテナンスが不可欠です。

噛み合わせの問題

インプラントに被せた人工歯の高さが合っていないと、噛むたびに特定の場所に過度な力がかかり、痛みの原因となる場合もあります。

天然の歯と異なり、インプラントには衝撃を和らげる「歯根膜」という組織がないため、噛み合わせのズレによる影響をダイレクトに受けやすいです。

しかし、歯科医院で噛み合わせを精密に調整することで解決できるので、違和感があれば早めに相談がおすすめです。

神経への圧迫・損傷

稀なケースですが、インプラントを埋め込む位置が不適切だった場合に、顎の骨のなかにある神経への圧迫・損傷によって、痛みや麻痺を引き起こす場合もあります。

この事態を避けるためには、手術前にCT撮影による精密な検査が不可欠です。

歯科用CTで神経の位置を正確に把握し、安全な手術計画を立てるのが、このリスクを抑える重要なポイントとなります。

インプラント治療後の痛みを抑える方法

インプラント治療後の痛みを抑える方法は、以下の5つです。

  • 食事と飲み物を制限する
  • アルコールを控える
  • 長時間の入浴は避ける
  • 激しい運動も控える
  • 力仕事は休む

それぞれ解説します。

食事と飲み物を制限する

インプラント手術の当日は、傷口を刺激しないよう食事内容に配慮が必要です。

たとえば、熱いものや冷たいもの、香辛料などの刺激が強いもの、せんべいのような硬い食べ物は避けるのが望ましいです。

栄養があり、あまり噛まなくても食べられるおかゆやスープ、ゼリーなどがおすすめです。

麻酔が切れるまでは感覚が鈍く、頬や唇を噛むリスクもあるため、食事ができるのは歯科医師の指示に従い、麻酔が完全に切れてからにしましょう。

アルコールを控える

アルコールには血管を拡張させ、血行を促進する作用があります。

そのため、インプラント手術後に飲酒をすると、傷口からの出血や痛みや腫れの原因につながりやすいです。

回復を順調に進めるためにも、少なくとも術後2〜3日、できれば抜糸が終わる1週間後くらいまでは禁酒を徹底するのが望ましいです。

長時間の入浴は避ける

アルコールと同様に、長時間の入浴も体全体の血行を良くします。

血流が良くなると、インプラント治療後の痛みや腫れを助長する場合もあります。

歯科医師の指示に従い、手術当日は湯船に浸かるのは避け、ぬるめのシャワーで済ませましょう。

翌日以降も、しばらくは長風呂を控えることが、術後の安定につながります。

激しい運動も控える

ジョギングや筋力トレーニングなどの激しい運動も、血流を促進し、血圧を上昇させる行為です。

インプラント治療後の傷口に負担がかかり、出血や痛みの原因となるため、術後1週間程度は控える必要があります。

また、ウォーキングのような軽い運動であっても、術後2〜3日は避けるのが望ましいです。

体を安静に保つことが、順調な回復への一番の近道になります。

力仕事は休む

重い荷物を持つ、子どもを抱き上げるなど、日常生活でグッと体に力が入る行為も血圧を上げる原因です。

インプラント手術後の傷口からの再出血や、痛みを引き起こすリスクを高めるため、注意が必要です。

デスクワークなどであれば翌日から可能な場合もありますが、力仕事がともなう場合は、体を休ませる期間を設けるように計画しましょう。

まとめ

適切な麻酔処置によって、インプラント手術中に強い痛みを感じるケースはほとんどありません。

また、インプラント手術への恐怖心や不安感が強い方には、「静脈内鎮静法」の選択肢があります。

久喜総合歯科では「毎週月曜日、水曜日、土曜日」に、インプラントを検討している方を対象とした無料相談会を実施しております。

また、インプラントをはじめ、入れ歯や審美歯科など、患者さんの状態に適したご提案・治療をおこなっております。

もしインプラント手術の痛みを軽減しながら、安心してインプラント治療を受けたい方はぜひお気軽にご相談ください。

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