「インプラントかブリッジかの特徴の違いが知りたい」
「インプラントとブリッジのメリット・デメリットが知りたい」
「インプラントとブリッジのどちらが自分に最適な治療か知りたい」
歯を失った場合、「インプラント」「ブリッジ」「入れ歯」の3種類の治療方法があります。
しかし、入れ歯は「金属が目立つ」「噛む力が弱い」などの理由から、インプラントかブリッジかどちらか最適な治療を受けたいとお考えなのではないでしょうか。
インプラントかブリッジかを選択するうえで、治療方法や外科手術の有無、健康な歯への影響や咀嚼力などさまざまな違いがあります。
本記事では、「インプラントとブリッジの違いやメリット・デメリット」を紹介します。
インプラントとブリッジで迷った際の判断基準まで紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。
インプラントとブリッジの違い【比較表】
インプラントとブリッジの違いを比較表にまとめました。
比較項目 | インプラント | ブリッジ |
治療方法 | 顎の骨に人工歯根を埋め込み、そのうえに人工歯を装着 | 隣接する健康な歯を削り、橋渡しのように人工歯を装着 |
外科手術の有無 | 必要 | 不要 |
隣の歯への影響 | 健康な歯を削らない | 両隣の健康な歯を削る必要がある |
咀嚼力 | 天然歯とほぼ同等 | 天然歯よりやや劣る |
審美性 | 高い | 保険適用の場合、金属が目立つ場合がある |
寿命 | 約10年以上 | 約7~8年 |
治療期間 | 約6カ月~1年 | 約1~2カ月 |
費用(1本あたり) | 自費診療で高額
※30万~50万円程度 |
保険適用で安価
※1万~2万円程度 |
メインテナンス | 定期的な歯科医院でのチェックが必要 | |
適応条件 | 骨の状態が良好であることが必要 | 両隣の歯が健康で支台歯として機能する必要がある |
インプラントかブリッジか迷った際に確認すべき判断基準
インプラントかブリッジか迷った際に確認すべき判断基準は、以下の4つです。
- 口腔内・全身の健康状態
- 治療費・保険適用の有無
- 治療期間・通院回数の頻度
- 平均寿命の長さ
それぞれ解説します。
口腔内・全身の健康状態
インプラント治療を検討する際、口腔内および全身の健康状態は重要な判断基準です。
顎の骨の健康状態や全身疾患の有無、歯周病の進行具合などが、治療の成功率やリスクに大きく影響します。
たとえば、糖尿病や高血圧などの疾患や喫煙習慣がコントロールされていない場合、治癒不良や感染症のリスクが高まります。
インプラント治療を受ける前に、全身の健康状態について十分に検査し、必要な治療や改善をおこないましょう。
治療費・保険適用の有無
インプラント治療は、基本的に保険が適用されないため高額ですが、以下の条件を満たす場合に保険適用となる場合があります。
- 事故や外傷による顎骨の損失
- 先天性疾患
- 腫瘍や病気による顎骨の損失
- 医療機関が大学病院や大規模な総合病院である
一方、ブリッジ治療は保険を適用しておこなえるため、費用面での負担が軽減されます。
ただし、治療の選択は費用だけでなく、口腔内の状態や長期的な健康維持の考慮が重要です。
治療期間・通院回数の頻度
治療期間・通院回数の頻度は、インプラントとブリッジや、個人の健康状態などによって異なります。
基本的にブリッジ治療は手術が不要なため、インプラント治療よりも治療期間が短く、通院回数も少ないです。
しかし、長期的に見ると、インプラントはブリッジよりも咀嚼力や審美性、平均寿命など優れている点が多くあります。
歯科医師と相談のうえで、自身に適した治療法を選択するのがおすすめです。
平均寿命の長さ
インプラントは骨と結合し、適切なケアをおこなうことで「約10年以上」の平均寿命が期待できます。
一方、ブリッジは隣接する歯への負担が大きく、平均寿命が「約7〜8年」と比較的短くなる傾向があります。
どちらも定期的なメンテナンスは必要ですが、長期的な寿命を重視したい方はインプラントがおすすめです。
インプラントのメリット・デメリット
インプラントのメリット・デメリットを、それぞれ紹介します。
インプラントのメリット
インプラントのメリットは、以下の5つです。
- 健康な歯に負担をかけない
- 自然な歯とほぼ同様の噛み心地を得られる
- 見た目が天然歯に近い
- 骨の吸収を防止できる
- ブリッジや入れ歯よりも寿命が長い
ひとつずつ解説します。
健康な歯に負担をかけない
インプラントは、健康な歯に負担をかけない治療法です。
インプラントは顎の骨に直接埋め込むため、隣接する健康な歯を削る必要がありません。
一方、ブリッジでは隣の歯を削る必要があり、健康な歯を守るためにはインプラントが適しています。
自然な歯とほぼ同様の噛み心地を得られる
インプラント治療は、自然な歯とほぼ同様の噛み心地を得られます。
インプラント本体を顎の骨に直接埋め込むため、食事中の違和感の軽減が可能です。
インプラントは、周囲の歯に対して負担をかけず、長期間使用しても快適な使用感を実感できます。
見た目が天然歯に近い
インプラントは、歯科用セラミックやジルコニアなどの素材を使用することで、天然歯に近い色合いや質感の再現が可能です。
歯茎との調和を考慮したデザインが可能なため、周囲の歯とのバランスを考慮し、見た目の美しさを追求できます。
さらに、適切なケアをおこなうことで、長期的な見た目の維持ができます。
インプラントの見た目については、下記の記事で解説しています。
詳細は「インプラントの見た目は自然?不自然さに影響する3つのポイントを解説」をご覧ください。
骨の吸収を防止できる
インプラントは顎骨に直接埋入されるため、骨の吸収を防ぐ効果があります。
歯を失った部分の骨に負荷がかからない場合、骨の吸収が進行する場合があります。
しかし、インプラント治療により、噛む力が骨に伝わることで将来的な骨の維持が可能です。
ブリッジや入れ歯よりも寿命が長い
インプラントは、顎骨と直接結合することで、天然歯のような安定性や寿命の長さがあります。
基本的に生体親和性の高いチタン製で製作されており、咀嚼力も天然歯に近く、長期的な寿命を重視したい方にもおすすめです。
厚生労働省の調査では、インプラントの10〜15 年の累積生存率は上顎で約90%程度、下顎で94%程度という結果も出ています。
適切なメンテナンスをおこなうことで、長期間にわたり機能を維持できます。
引用元: 厚生労働省委託事業「歯科保健医療情報収集等事業」歯科インプラント治療のための Q&A
インプラントのデメリット
インプラントのデメリットは、以下の3つです。
- 外科手術が必要である
- 治療期間が長い
- 費用が高額になる
それぞれ解説します。
外科手術が必要である
インプラント治療には、外科手術が必要です。
手術は局所麻酔でおこなわれることが一般的ですが、治療における一定のリスクと負担がともないます。
手術後は腫れや痛みが生じ、数ヶ月の治癒期間が必要なため、生活制限やアフターケアが重要です。
歯科医師と相談のうえ、外科手術におけるリスクや負担を十分に理解し、治療を検討しましょう。
治療期間が長い
インプラント治療は治療期間が長いため、負担となる場合もあります。
インプラント治療は、自然な治癒を待つ必要もあり、骨との結合に時間がかかります。
通常、インプラント体と顎の骨が結合するまでに「3〜6カ月」程度の期間が必要です。
治療の進行状況によってはさらに時間がかかるため、 生活への影響を十分に理解し、歯科医師と相談のうえで治療を決めましょう。
費用が高額になる
インプラント治療は保険適用外の自由診療であり、高額な費用がかかります。
インプラントの1本あたりの費用相場は、「30万〜50万円」程度です。
インプラント治療にかかる費用の内訳は個人の状況によって異なりますが、基本的には以下の項目が含まれます。
- 検査・診察
- インプラント本体
- 人工歯の製作
- 手術
- 定期的なアフターケア
さらに、顎の骨が不足している場合、骨造成手術などが追加で必要となる場合もあります。
検査結果を以て、歯科医師へよく確認をおこないましょう。
インプラント治療の保険適用については、下記の記事で解説しています。
詳細は「インプラント治療は医療保険の対象になる?費用を抑える方法を解説」をご覧ください。
ブリッジのメリット・デメリット
ブリッジのメリット・デメリットを、それぞれ紹介します。
ブリッジのメリット
ブリッジのメリットは、以下の3つです。
- 外科手術が必要ない
- 治療期間が短い
- 保険診療が適用される
ひとつずつ解説します。
外科手術が必要ない
ブリッジ治療は、失った歯の両隣の歯を削って連結した人工歯を装着する方法で、外科手術が不要です。
インプラント治療の場合、顎の骨に人工歯根を埋め込む外科手術が必要ですが、ブリッジ治療であれば外科的な処置をとりません。
ブリッジは治療後の痛みや腫れを軽減でき、回復も早いため、外科手術を避けたい方に適した治療方法となります。
治療期間が短い
ブリッジ治療は、インプラントと比べて治療期間が短いです。
初回で歯の削りと型取りをおこない、2回目で仮歯を装着し、最終的にブリッジを固定します。
ブリッジ治療は外科的な手術がなく、通院回数も少なく済むため、治療期間を短縮したい方におすすめの治療法です。
保険診療が適用される
ブリッジ治療は、保険診療が適用されるため、経済的な負担を抑えて治療を受けられます。
保険適用のブリッジ治療の費用相場は、1本あたり「1万〜2万円」程度です。
自費診療のインプラント治療の費用相場は、1本あたり「30万〜50万円」程度のため、自己負担額を大幅に減らせます。
保険適用のブリッジ治療は、経済的な負担を抑えたい方にとってはおすすめの選択肢です。
ブリッジのデメリット
ブリッジのデメリットは、以下の3つです。
- 隣接する健康な歯を削る必要がある
- 支台歯に負担がかかる
- 寿命が比較的短い
それぞれ解説します。
隣接する健康な歯を削る必要がある
ブリッジ治療では、支台歯を形成するために、欠損部位の両隣の健康な歯を削る必要があります。
ただし、健康な歯の表面を削ることで歯の強度が低下し、将来的にクラウンや根管治療が必要となるケースもあります。
歯の健康を維持し、将来的に再治療をおこなうリスクを避けたい方は、インプラントなど健康な歯を削らずに済む治療法などを検討しておきましょう。
支台歯に負担がかかる
ブリッジ治療では、欠損部位の両隣の健康な歯(支台歯)に過度な負担がかかります。
支台歯はブリッジの全体の力を支える役割があり、歯への負担も大きいです。
また、過度な力がかかり続けると、支台歯の摩耗や破折、歯周病のリスクが高まります。
一方インプラント治療は健康な歯を削らないため、歯に負担をかけずに治療が可能です。
自身の歯の健康を守りたい方は、インプラントなどの歯を削らない選択肢も検討してみましょう。
寿命が比較的短い
ブリッジ治療の平均寿命は「約7〜8年」のため、インプラントと比較すると短いです。
支台歯の健康状態や歯周病、噛み合わせの問題など、さまざまな要因がブリッジの寿命に影響を与えます。
ブリッジ治療によって、健康な歯にも過度な負担がかかり、平均寿命が短くなる場合があります。
長期的なコストパフォーマンスを考慮すると「インプラント」がおすすめ
長期的なコストパフォーマンスを考慮したい方は、「インプラント」がおすすめです。
インプラントは自然な噛み心地や見た目だけでなく、生活の質を向上させます。
また、適切なメインテナンスをおこなうことで「10年以上の寿命」が期待できます。
インプラントは平均寿命はブリッジの「約7〜8年」と比べても、長期的に使用が可能です。
ブリッジは支台歯の状態や噛み合わせの変化で、再治療や調整が必要な場合があり、追加費用が発生するケースもあります。
一方インプラントは通常の歯と同様のケアができるため、特別な手間や追加費用を抑えたい方にもおすすめします。
まとめ
インプラントとブリッジは、治療方法や外科手術の有無、健康な歯への影響や咀嚼力などさまざまな違いがあります。
ただし、見た目や寿命など長期的なコストパフォーマンスを考慮する場合は「インプラント」がおすすめです。
久喜総合歯科では「毎週月曜日、水曜日、土曜日」に、インプラントを検討している方を対象とした無料相談会を実施しております。
また、インプラントをはじめ、入れ歯や審美歯科など、患者さんの状態に適したご提案・治療をおこなっております。
もし費用負担をできるだけ軽減しながら、安心して自身に最適な治療を受けたい方はぜひお気軽にご相談ください。